2001年6月3日(日)「メトロポリス」

METROPOLICE・2001・バンダイビジュアル/東宝/ソニー・ピクチャーズテレビジョン・ジャパン/電通/角川書店/手塚プロダクション/IMAGICA/ガンジス・1時47分

ビスタ・サイズ/ドルビーデジタル・dts

未来世界、超巨大都市国家メトロポリスで秘密裏に最高レベルのロボットが作られようとしていた。依頼したのはその国を支配するレッド公で、国際的な臓器売買に絡むロートン博士の手腕を信じてのことだった。ちょうどそのころ、日本から臓器売買の調査でロートン博士を追っていた探偵の伴俊作と助手の健一がメトロポリスを訪れていた。

74点

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 架空の国の、遠い未来のお話。手塚治虫がアトムを書く前に書いた作品だそうで、確かにこの作品の主人公の設定はそのままアトムにも当てはまる。そして初期からの共通キャラクターであるヒゲオヤジ、私立探偵の伴俊作も出ている。

 ただ、設定は手塚ワールドにまちがいなく、キャラもまちがいなく手塚キャラなのだが、ストーリーは大友克洋ワールド。ラストなど主人公が「アキラ」の鉄雄になってしまうのだから。

 画作りはどれもすばらしい。アニメとしての動きもスムーズだし、CGを利用したダイナミックなカメラ・ムーブは、凡百のアニメと次元を異にする。ハリウッドSFの映画の影響も各所に見られる気がする。

 しかし、どうも2Dのパートと3Dのパートのなじみが悪い気がする。3DパートがどうにもCG臭いのだ。ボクにはどうにも違和感があって……。いい作品なんだけど。

 レイ・チャールズが歌う「I can't stop loving you」が心にしみた。懐かしい未来、レトロ・フューチャーというのだろうか、独特の世界観もいい。人間とロボットの関係、そして、主人公、健一とロボットのティマの淡い恋心。いいなあ。

 ラストのセピア色の一枚の絵、というか写真、これが心に深く残る。ひょっとしたら速く出てしまった人は見られないかもしれない。明るくなるまで席に座っているように。これがあるとないとでは、作品の印象が変わってしまうと思うぞ。




【ただいま執筆中。少々お待ちください】




 公開2週目の2回目、前回終了の30分前についたらロビーには20代の男性8人に女性が3人。オヤジがいない。珍しい。25分前くらいから人が増え始め、15分前には30人くらいになり、ロビーが人いきれで暑くなってきた。

 最終的には286席の指定席なしの劇場に9.5割の入り。ほぼ満席。スゴイ人気だが、観客層が実に狭い。ほとんどが20代。それ以下も、それ以上もいないって感じ。内容的にはもっと広い層にアピールするものだと思うんだけど。


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