2001年6月9日(土)「ドリフト」

TIME AND TIDE 順流逆流・2000・香・1時52分

日本語字幕翻訳:森泉 淳/シネスコ・サイズ/ドルビーデジタル・SDDS

香港のバーテン、タイラー(ニコラス・ツェー)は、店でケンカしていた2人の女の片方ウォン(キャシー・チュイ)を、飲み比べをした末、家に泊めることになってしまう。9ヶ月後、彼女が妊娠していたことを知ったタイラーは、もっと稼ぎの良いボディガードとなり、彼女に出産の費用を届けようと奮闘するのだが。

73点

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 香港映画はまだまだおもしろい。たくさんの才能ある人たちが、アメリカやカナダなど世界中に出ていってしまったけれど、まだ才能ある人はいるし、スターもいるし、ハリウッド・デビューしてからも本国を決して忘れない人たちがいるのだ。

 本作は「ダブル・チーム(Double Team・1997・米)」でハリウッド・デビューを飾った徐克ことツイ・ハークの監督作品。あの「男たちの挽歌(英雄本色・1986・香)」をプロデュースしてジョン・ウーを世界に知らしめた名プロデューサーでもあるし、壮大なシリーズ「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ(Once Upon A Time in China・1991・香)」やボクの大好きな「ドラゴン・イン」の脚本家でもある。

 だから、これでもかというアクションの波状攻撃は、見るものを圧倒する。そして驚くのが、それらハードなアクションを演じている主役のふたり、ニコラス・ツェーとウー・バイともに歌手であるということ。ウー・バイは俳優としてみればパッとせず、なんでこの人が主役級なのか映画を見ている間中、理解できなかったけれど、台湾のロック歌手と聞いて納得がいった。

 それにしてもこの身のこなしと拳銃の扱い方のうまさ。おそらくかなりのトレーニングを積んでいるはずだ。そして取り方と編集がうまい。その動きにも無駄がないのは、細かなカットのつなぎ合わせの結果だろう。

 少々ストーリーが複雑で、字幕では完全に理解するのは難しかった。もう1回見ればもっとわかったと思うが。

 それにしても、日本のエアーガンが出てくるのには笑ったし、レズの父兄を演じるモデル出身のキャシー・チュイの美しさには舌を巻いた。チョイ役であまり出でこないのが残念だったほどだ。

 コロムビア映画のタイトルが入っていたということは、アメリカ公開もしたんだろうなあ。




【ただいま執筆中。少々お待ちください】




 公開2週目の上映3回目、30分前に付いたらロビーには12人ほどの人。それが15分前には25人ほどになった。男女比はほぼ半々で、ほとんどは20代が中心。だいたい香港映画は若い人、特に女性がよく見る。次週からすでに別の作品に変えられることになっていて、いい作品なのに惜しい。人が入らないのか。主力のオヤジが少ないもんなあ。若い女性はたぶんニコラス・ツェー目当てだろう。

 指定席なしのフラットでスクリーンが見にくい306席に、3.5割ほどの入り。決して悪くないと思うんだけどなあ。でも、あやうくビデオ公開となるところを劇場公開されることになったらしく、2週間ほどでも小屋にかかるだけましか。


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