2001年7月22日(日)「ドクター・ドリトル2」

DR. DOLITTLE 2・2001・米・1時28分

日本語字幕翻訳:松浦美奈/シネスコ・サイズ(マスク)/ドルビー・dts

ドリトル家では16歳の長女シャリース()が思春期となり、両親としっくり行かない日々が続いていた。そんなとき、森のビーバーからの使者がやってきて、森が破壊されているから助けて欲しいという。ドリトル(エディ・マーフィ)は森に絶滅危惧種のクマが生存していることから、一計を案じる。

72点

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 つまらなかった前作の続編で、たぶんダメだろうという予想を裏切って、そこそこ面白かった。監督が替わったこともあるだろうが、やはり脚本が良いのだと思う。今回もお下劣なネタはあるが、前回ほどではなく、比較的押さえられている。これも成功の要因の一つだろう。そして、デジタルの威力なのかもしれないが、前回よりエディ・マーフィが動物と共演しているらしいのも、物語の趣旨から言ったら大切なことだろう。

 監督はミュージック・ビデオ出身のスティーブ・カーという人。本作が劇場二作目だとは思えない手堅い演出で、ボクはてっきりベテラン監督の作品だと思った。なんでもイーサン&ジョエル・コーエンの友人なんだとか。

 脚本は前作から引き続いてラリー・レビンという人が手がけている。しかし前作がナット・モールディンという人との共同作品だったのに、今回は一人で書き上げていて、それが前作よりおもしろいのだから、ナットが問題だったのかもしれない。ただ、驚くことに前作の「ドクター・ドリトル」以前はTVしか手がけていなかったのだ。まあ、もともと才能があったのだろう。

 見所は、やはり芸達者な動物役者たち。ネズミ、カメレオン、イタチ、犬、狼、熊(戦車という名前Tank the Bearらしい)といったアニマル・アクターが、まさに演技している。それと奥さん役の女優さんのきれいなこと。彼女はクリスティン・ウィルソンというらしい。前作でも奥さん役だったらしいが、ほとんど印象に残っていない。「ダンジョン&ドラゴン」にも出ていたそうで、まったく印象が違うが気の強いエルフが彼女。女優って、役によってこんなにも変わるもんなんだなあ。ちょっと怖い。


 笑えるシーンも今回はちゃんとある。苦笑いではなく、ちゃんとした笑いが。これもたぶん重要。前作はどちらかというと眉をひそめることの方が多かったから。

 なぜか最近ここ一番というと使われるグロリア・ゲイナーの曲「I wll survive」が、ここでも使われている。印象的だったのは「リプレイスメント(The Replacements・2000・米)」だが、アメリカではゲイ関係で用いられることが多いらしい。

 音響はさすがアナログ。どれもこもったような音で、スピーカーが鳴っているという感じがありあり。サラウンドの効果もあまり良くなかった。

 公開2日目の初回、新宿の上映館は流行のシネコンではないのだがシステムはシネコンで、客の入りによって上映館が入れ替わる。しかし、劇場規模で見ようかどうしようか決めるという人が多いと思うが、これでは決めようがない。しかも、今回はそのなかてせも最悪のオスカー。設備は古く、いまだにデジタル・サウンドに対応していないという劇場。しかも最前列以外、どこに座っても前席の人の頭が気になるという酷さ。ただし、この劇場だけが、都内では初回から英語で上映するが、ほかはみな夕方まで吹き替え版を上映するのだとか。これはボクには馴染めない。

 間違えて60分前と早く着いてしまったら、案の定誰もいない。30分前から増えだして、25分前に開場したときには25人ほどの行列になっていた。老若比は老が多くて6:4ほど。オヤジが主体だが、小学生の子を連れたファミリーも目立っていた。男女比はほぼ半々。指定席なしの325席は、最終的に予想に反して4割ほども埋まった。


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