2001年11月3日(土)「エボルーション」

EVOLUTION・2001・米・1時43分

日本語字幕翻訳:菊地浩司/ビスタ・サイズ/ドルビーデジタル・dtss・SDDS

初日・初回プレゼント直径30cmの「マスコット・クッション」
〈米R指定〉

グランド・キャニオンの近くに巨大な隕石が落下した。その調査のためグランド・キャニオン大学の生物学者のアイラ教授(デビッド・ドゥカブニー)と地質学者のハリー教授(オーランド・ジョーンズ)は地面に開いた穴に入り、隕石から血のように流れるサンプルを持ち帰る。やがて単細胞だったその液体は、数時間で2億年分の進化を遂げ複数細胞に進化していた。やがて軍と政府機関が乗り込んできて、2人の研究をすべて取り上げてしまうが……。

69点

1つ前へ一覧へ次へ
 うーん、「ゴースト・バスターズ」の監督アイバン・ライトマン、題材こそ違うがこれではほとんど「ゴースト・バスターズ」そのまま。しかもあんまり面白くない。「ゴースト・バスターズ」どころか、「MIB」にも達していない。狙っているところはわかるが、笑えない。下品な下ネタも効力を発揮しない。ついにアイバン・ライトマンも焼きが回ったか。

 豪華な役者陣は、それぞれがんばっている。悪くないと思う。けれど、その努力がこの映画ではちっとも生きていない。これは脚本のせいもあるだろうし、演出のせいもあるだろう。散りばめられたギャグはどれも滑りまくり、客席は終始シーンとしたまま。この季節でも冷房も効いていたらしく、寒さが増幅された感じ。英語がわかれば、ひょっとしたら少しは笑えたのかもしれないが。

 中心となる人物であるデビッド・ドゥカブニーはなんだかほんわかしていて、お坊ちゃま育ちといった感じがいい。日本のフォックス・チャンネルで現在オンエア中の(アメリカの最新シーズンでは「ターミネーター2」のパトリック・ にバトン・チェンジしてしまったが)「X-ファイル」のイメージとそれほど違わず、いい。「ツイン・ピークス」で女装の刑事役で出てきたときから、ヘンな役者だとは思っていたが、静かな感じでヘンなのがいい。

 お堅い女性学者といういかにもの設定のキャラクターを、ジュリアン・ムーアは無難に演じている。が、彼女であった必然はあまりない。雰囲気が「X-ファイル」での相棒、ジリアン・アンダーソンに似ていたからか。よく、わからん。

 オーランド・ジョーンズは、下品なこともやっているが、このメンツの中では一番面白かった。とぼけた感じがいい。ただショーン・ウィリアム・スコットのおバカ演技は全くいただけない。不必要。むしろ逆効果じゃないの? こんな絵に描いたようなドジがいるとは思えない。ここまでくると普通の生活すら営めないと思うが。

 ライトマン組のダン・エイクロイドも頼りない知事役で出ているが、オマケ的でいなくても大差ない。

 進化するモンスターも、あまりにハリウッド的デザインで、ステレオタイプ。日本のアニメ系の人にデザインしてもらった方がよかったのでは。「エイリアン」が良かったのはスイス人のギーガーだったからという気がするもんなあ。

 初日初回、50分前に着いたら7人の行列ができていた。このうちオヤジが5人。女性0。45分前になったら15人に増えて、女性も1人。25分前に開場したときは、前売り券の列に20人ほど、当日券の列に10人ほどに。女性は全体で3〜4人。

 下は小学生くらいから、上はオヤジ以上までと幅広いが、半分以上はオヤジ。しかも1,044席に4割ほどの入り。中劇場なら満員だったが。

 12席×5列の指定席とその後ろのぴあ4席も初回は全席自由。

 コロムビア(ソニー)映画なので、上映の最初にSDDSのデモあり。自分も含めたいい歳をしたオヤジが、初日プレゼントを抱えて歩く様がおかしかった。


1つ前へ一覧へ次へ