2001年10月28日(日)「チルファクター」

CHILL FACTOR・1999・米・1時41分

日本語字幕翻訳:太田直子/シネスコ・サイズ(レンズ)/ドルビーデジタル・dtss・SDDS

〈米R指定〉
1987年、米軍はある無人の小島で極秘実験中、コントロールを誤って全島に被害を与え、従事していた兵士18人を死亡させてしまった。主任研究員のロング博士は責任を問われることはなかったが、現場の指揮官ブリナー中尉は軍法裁判の結果、10年の懲役刑を言い渡された。10年後、出所したブリナーは、研究所から事件の原因となった極秘兵器「エルヴィス」を強奪い、裏世界のオークションに賭けよう行動を起こした。

72点

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 思いっきりのB級映画かと思ったら、キューバ・グッティング・Jrが出ている上に本物のスコープ撮影であることからもわかるように、かなりお金のかかった準大作的な映画だった。こんなに小品扱いとは……。これもテロの影響か。

 「スクリーム(Scream・1996・米)」で凶悪な男を演じて強い印象を残したスキート・ウーリッチが主役を演じているが、クレジット上は主人公の相棒になるキューバ・グッティング・Jrの方が先に名前が出る。出演料も上ということだ。しかし考えてみれば、もしキューバ・グッティング・Jrが出ていなければ、本作は完璧なB級ムービーなっていただろう。日本での扱いはB級以下という感じだが、本当はBの上か準Aなんだろうと思う。

 スキート・ウーリッチはボク的には、「スクリーム」もよかったが、実在のギャングを描いて優れていた「ニュートン・ボーイズ(The Newton Boys・1998・米)」の四男や、「楽園をください(Ride with the Devil・1999・米)」でのキレてしまう少年で強烈な印象がある。どちらかというと不良が多かったのではないだろうか。それで、つい本作でも悪役だろうと思ったら、意外にいいヤツで、とにかくがんばるんだなあ。

 これもアクション映画の良いとこ取りで、ある条件で爆発する爆弾、追いつ追われつ、性格の違う2人の珍道中、凶悪な敵のボス……などなど。テンポが速く、ジェットコースター・ムービーとも言えそうだ。

 監督は「ホワイト・スコール(White Squal・1996・米)」「G.I.ジェーン(G.I. Jane・1997・米)」でリドリー・スコット監督の撮影監督を務めてきたヒュー・ジョンソン。アクション・シークエンスのカメラ割りが非常にうまい。本当に凄いスピードで走っている車の上に役者がいて演技しているように見える。実際、スキート・ウーリッチはかなり危ないシーンにも自分でチャレンジしているらしいが。

 公開2日目の昼から始まる遅い初回、高をくくって30分前に着いたら、すでに開場していた。しまった。でも、328席のスタジアム形式の場内にはオヤジが1人きり。10分位したらオヤジが3人ほど現れ、15分前にオバサン2人を含めてどうにか9人に。ただ、時間つぶしに来たような感じの人が多く、ちょっと気になった。

 その後、数人の若い男性と30代くらいの女性が1人、2人。最終的には25人ほどに。男女比は8:2で圧倒的に男性が多い。老若比でいうと、9:1〜8:2ほどで中高年がほとんど。オジサンたちはどんな映画でもよく見てるなあと感心した。

 アナログ・ドルビーのみの劇場にしては、比較的いい音がする。サラウンドの効果もなかなかなもの。指定席がないのもいい。でも、はやめにデジタル・サウンドに対応して欲しい。スタジアム形式のイスの配置は嬉しいが、イスが小さすぎ。惜しいなあ。


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