2001年11月4日(日)「赤ずきんの森」

PROMENONS-NOUS DANS LES BOIS・2000・仏・1時30分

日本語字幕翻訳:寺尾次郎/シネスコ・サイズ/ドルビーデジタル・dtss

11月3日と4日のみ先着50名に特製ビデオプレゼント
〈仏指定〉
大学生で、劇団を組んでアルバイトをしている男女5人が、深い森の奥にある城主に招かれ、たった1人の孫のために誕生日に「赤ずきんちゃん」の芝居を上演することになった。しかし、お城に向かうと使用人が、森の密猟監視をしている男以外誰もいなかった。そして、その夜、学生がひとりずついなくなっていく……。

70点

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 怖いが、多くは音で脅す手法。それはいかがなものか。意味深なカットが多い割には、ストーリーは安直で説得力が無く、事件が解決しても納得できない。演出と脚本のバランスが取れていないような気がする。

 なんだか無理してハリウッドの手法を真似して作ったフランス映画という感が強い。セリフが英語だったらだれもハリウッド映画と疑わないだろう。

 「赤ずきん」がモチーフだからか、赤をことあるごとに強調して撮っていくが、これだけでは不足。やるなら押井守監督が脚本で参加した「人狼(1999・日)」くらい引き回してくれなければ、「赤ずきん」をモチーフにした意味がないのではないだろうか。

 レズビアンのカップルがいたり、口の利けない女性や、ベタベタのストレートのカップルがいて、裏切りもあってドラマとなるはずが、なかなかドラマとして盛り上がっていかない。28歳の新人監督にはちょっと荷が重かったのかもしれない。監督のハリウッド映画好きはよくわかったが。

 真犯人は誰か、という謎が仕掛けてあって最後まで引っ張るのだが、だいたいすぐわかってしまう。最初に死んだヤツが怪しいというのは、昔からこういう密室皆殺し事件の定石だし……。

 美しい女優たちと、彼女たちのヌードで劇場で見る価値ありとしたが、そこに興味がなければビデオで十分という感じだなあ。

 途中で登場する頼りない刑事が持っている銃は、アメリカ製のコルト・パイソン4インチ・モデル。クロームによる銀ピカ仕上げだった。どうもフランス人監督はこの銃が好きなようだ。古くはイブ・モンタンが主演した「真夜中の刑事」もそうだったし、ジャンポール・ベルモンドが主演した「」もしかり、「ドーベルマン」にも出ていたような気が。

 まとめると、悪い言い方だが、思わせぶりで中身はたいしたことないってことかなあ。ヨーロッパ映画好きな方々ごめんなさい。

 公開2日目の初回、45分前に着いたら15人くらいの行列が。男女比はほぼ半々で、女性は若めだが男性のほとんどはオジサン。銀座の劇場は飲み物等の持ち込みが禁止なので、あわててスタバのカフェ・ラテを飲み干す。

 30分ほど前に開場すると、最初に並んでいた人たちはすぐに後方に座った。みな、この劇場はスクリーンが見にくいと知っているようだ。ボクは前目が好きなので、センターを避けて端寄りに座る。こうすると前の席の人の頭の間からスクリーンを見ることができるのだ。

 最終的に、指定席のない192席の2割半ほどしか埋まらなかった。まあ、この内容ならこんなもんではないでしょうか。


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