2001年11月18日(日)「URAMI 〜怨み〜」

BRUISER・2000・米・1時40分

日本語字幕翻訳:表記無し/ビスタ・サイズ/ドルビー

〈米R指定〉
ヘンリー(ジェイソン・フレミング)は、美人で高慢ちきな妻のため、家を新築中で、クレジット・カードをゴールド・カードからプラチナ・カードへ上げるため、友人に頼んで投資もしていた。そして変態の編集長がいる「ブルーザー」誌に、今の生活を守るため我慢して勤めていた。しかし、妻はその変態編集長と浮気を重ねており、友人も彼のお金を着服していた。

74点

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 「ゾンビ(Nihjt of the Living Dead・1968・米)」のジョージ・A・ロメロ監督作品ということで、たぶんB級ホラーだろうと思って見に行ったら、これがなんとなかなか骨太の人間ドラマ。ちょっと「クロウ」に似たような話ではあるけれど。IMDbでの評価は5.1となかなか低いけれど、ボクは気に入った。よくある話だし、予想通りの展開となるわけだが、なかなかドラマが良く描かれている。

 ロメロ監督は注目されたのが「ゾンビ」というそれ以後のホラーの定番となる、生きている死人を世界中に広めたために、キワもの監督と捉えられることが多い。それで、「モンキー・シャイン(Monkey Shine・1988・米)」を作ったのだろう。最近「ゾンビ」の復活祭というのも開かれたらしく、それもあって「怨み」なのではないか。

 でも結局ロメロは単なるドラマに終わるはずはなく、きっちりとホラーな部分を見せてくれるのだが。それだからこそボクも見に行くわけで。

 人はマスクを被るだけで人格が変わり、大胆なこともできるようになる。メイクをするだけで役者は役になりきれるという。同様に女性も化粧することで自分という役を演じているのかも。だとしたら、素顔を見ないことにはわからないってことだなあ。それはともかく、上司のイジメ、口うるさい妻の不貞、盗みを働く家政婦……。主人公はまるで透明人間になったように大胆に犯行を重ねていく。

 その上司がすばらしい。世界中の嫌らしい上司をひとりに象徴したようなゲス以下の男。しゃべり方からしてイヤらしいのだ。演じているのはイヤらしい役がめちゃくちゃうまいピーター・ストーメア。「ロスト・ワールド」(The Lost World : Jurassic Park・1997・米)でティラノザウルスに頭からかじられていた人。「オマエらタマ持ってんのか。タマってこれのことだ」とペロッと出して(しかもボカしなし)しまうんだから。うえー、見てしまった。しっかりと。奥さん役の女優さんのヌードは良かったけど。

 このせいもあってか、見終わった後はカタルシスはあるものの、不快さが残る。あまりに悪い奴が多すぎる。あの上司をそんな簡単に殺しちゃってOK? もっとじっくりと恨みを晴らさなくていいの? って、この映画見てたら人が変わってしまったかも。

 ちなみにタイトルの「ブルーザー」は主人公が勤めている会社が出している男性誌で、強い大男とかタフガイという意味らしい。

 公開からすでに1カ月ほど。2回目の回30分ほど前に着いたら整理券が出ていて、2番。10分前に来ればいいというので、スタバへラテを買いに行く。もどるとそれでも6人ほどの人。

 最終的に64席に8人。うちオヤジが2人、20代が6人、うち1人が女性というところ。まあ劇場も映画ファンにはあまり知られていないところだし、公開から日がたっているから、こんなところだろう。

 それにしても、劇場が小さすぎる。ビデオまで待ってもいいかもしれない。スクリーンが近いので、音響用の穴までが最前列から5列目でも見えてしまうほど。上映が始まると非常灯までが消えるのはいいが、壁が真っ白なのであまり暗くならない。むしろちょっと気になるなあ。それに場内、飲食禁止も残念。JBLのサラウンド・スピーカーを使っていて音響もいいんだけど。


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