2001年11月18日(日)「アメリ」

LE FABULEUX DESTIN D'AMELIE POULAIN・2001・仏・2時01分

日本語字幕翻訳:斉藤敦子/シネスコ・サイズ(テクノビジョン)/ドルビーデジタル・dts


アメリ(オドレイ・トトゥ)は1973年、引きこもりがちな元軍医の父と、元教師で厳格な母の間に生まれた。父の誤診によって心臓病と思われたアメリは学校へは行かされず、母の厳しい教育によって家庭内だけで育てられた。そのため他人との関係をうまく持てないうえに、空想に逃れがれるようになってしまった。やがて1997年、アメリはパリへ出てモンマルトルのカフェ「ドゥ・ムーラン」へ勤める。

76点

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 誰もが幸せになる映画、それがこの映画のコンセプトだという。そして、まさに、この映画を見終わった後、誰もが幸せな気持ちになって、他人にいいことをしてあげたいと思うようになるだろう。

 監督は「デリカテッセン」「ロスト・チルドレン」「エイリアン4」のジャン=ピエール・ジュネ。いずれにも共通する古くて新しいレトロ・フューチャーな感じは本作にはない。しかし、相変わらず黄色がかった色調は使われているし、どこか暗い雰囲気が伏流のように脈々と流れているのも同じ。おもしろく、ハッピーなんだけど、何か気にかかるような感じが残るのも確かだ。

 とにかく、主役のオドレイ・トトゥがキュート。新人かと思っていたら、1992年くらいからTVで活躍を始め、1995年からは大きな役ももらえるようになっているからもうベテランの域だろう。これで世界的に知られるようになったのではないだろうか。1978年生まれというから、まだ23歳。これから引く手あまただろう。注目しよう。

 ストーリー自体が変わっていて、またそれがこの映画の楽しさでもあるので、細かく書くことはできないが、風変わりな映画であることは間違いない。暗い状況を悩まず屈することなく、むしろ楽しむように生きていく。いや、その上に他人までハッピーにしようと主人公はガンバルのだ。だから誰もが彼女を応援せずにはいられない。IMDbで9.0という高得点もうなずけるが、ちょっと高すぎないか。好きだけど。

 ジュネ組常連のドミニク・ピノンももちろん出演。アクの強い役をごく当たり前に演じている。この人って本当にこういう人なんだろうか。

 オドレイ・トトゥがあこがれる彼氏、ニノを演じるのは「クリムゾン・リバー(Les Rivieres Pourpres・2000・仏)」の監督マチュー・カソヴィッツ。そういえばこの人は監督よりも役者で有名だったんだっけ。

 それにしても、ジャン=ピエール・ジュネ監督はフリークスというのが好きなようだ。外見的なフリークスから、精神的なフリークスまで、登場人物はみんな変わっている。だからこそドラマが生まれるわけだが。そして、視点が視線が優しい。常に弱者の側にいる。

 公開2日目の初回、55分前に付いたら前売り券の列に10人ほどが。男女はほぼ半々で、ほとんど35歳以下という感じ。まあ若い人が多い印象。

 45分前に入り口が開いて、場内の入口まで移動。この時点ですでに劇場の外まで行列が延びている。次第に女性が増えて、男女比は4:6で女性の方が多くなった。

 25分前にようやく開場となって中へ。2Fも自由で、渋谷のこの劇場は2Fのほうが見やすいので2Fへ。1Fはかなり見上げる感じになる。

 10分くらい前に303席がほぼ100%埋まってしまった。なんでこんなに人気があるんだろう。どこかの雑誌でホメたのか。よくわからんなあ。


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