2001年12月23日(日)「殺し屋1」

2001・オメガ・プロジェクト、オメガ・ミコット・日/香/韓/独・2時8分

ビスタ・サイズ/ドルビー・dts
〈日本R-18指定〉


新宿歌舞伎町のヤクザ安生(あんじょう)組の親分がさらわれた。若頭のピアスのマー坊こと垣原(浅野忠信)は、片っ端から怪しい男を捕まえては、好きな拷問を加え始めるが、彼の子分達が謎の殺し屋によってひとりまたひとりと惨殺されていく。

72点

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 さすがは18禁だけあって、残酷、血、内臓、変態、汚い言葉が満載。三池監督らしく、どこかに「漂流街」を彷彿とさせるコメディの要素が盛り込まれていて、さらにいじめ問題に切り込んでいっているため、爽やかとまではいかないが、気持ち悪いほどではない。この奇妙なアンバランス感覚が受け入れられる人にはおもしろい映画だと思う。

 原作は、小学館の「週刊ヤングサンデー」に連載されていた同名マンガで、作者は山本英夫という人。ボクは未見だが、原作もかなりスゴイお話らしい。それでも全10巻で500万部以上の売上げだそうだから、超ベスト・セラー。

 毒がいっぱいの映画で、最初にこの毒にやられると、2時間8分、ずっとシビレっぱなしという感じ。話の展開はなんとなく読めるが、起こることが度を超しているので結構ショックだったりする。

 監督は三池崇史。近作の「オーディション(1999)」は面白かったが、その後の「漂流街(2000)」はいかがなものか。何かおもしろいのと、そうでないのが交互に公開されているような気がする。

 キャストは凝っていて、オール・スターのような印象。変態の垣原を自然体で演じる浅野忠信、平凡な殺し屋イチを演じる大森南朋といったピッタリの人たちは置いといて……「鉄男(1989)」や「双生児(1999)」の塚本晋也監督がジジイを、なかなか面白かった「MONDAY(2000)」のSABU監督が組織の鉄砲玉を演じていたりする。いちいち上げないが、ほかにもよく見かける人たちが出ている。

 面白いのはエイリアン・サンというシンガポール出身の女優さん。本名なのか芸名なのか、エイリアンなどという名で英語、中国語、日本語がペラペラで、存在そのものが無国籍。今後、大いに活躍してくれるかもしれない。

 本気なのか、ジョークなのか、よくわからない三池ワールドが炸裂。引き合うか、反発するかのどちらかだろう。

 公開初日は舞台挨拶があるというので、パスして2日目初回、40分前に着いたら10人ほどの人が。女性は1人だけ。みな20代の若さ。原作漫画の読者が多かったのかもしれない。30分前に開場したときは。カップルも増えだした。

 最終的に300席に半分ほどの入り。うち女性は1/3ほど。オジサンはわずかだった。


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