2002年4月7日(日)「ドメスティック・フィアー」

Domestic Disturbance・2001・米・1時間29分

日本語字幕:写植、下・古田由紀子/シネスコ・サイズ(マスク)/ドルビー・dts
(米R指定)

http://www.uipjapan.com

フランク(ジョン・トラボルタ)は離婚して2年目、別れた妻スーザン(テリー・ポロ)との間に12歳の息子ダニー(マシュー・オリアリー)がおり、息子はその元妻と暮らしていた。しかし、元妻が資産家のリック(ヴィンス・ヴォーン)と再婚することになり、ダニーは学校を抜け出してしまう。そんなある日、町によそ者レイ(スティーブ・ブシェーミ)がやってきて、再婚相手と話した後、失踪してしまう。息子のダニーは再婚相手がその男を殺すところを見たと主張するが、何も証拠がなかった。警察も、誰も信じなかったが、フランクだけは彼の言うことを信じた。

74点

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 とりたててユニークな作品というわけではないけれど、ハラハラドキドキ、怖い。とにかく「ザ・セル」で捜査官を演じてみごとだったヴィンス・ヴォーンがじわじわと怖くて良い。目が冷たくて、そんな雰囲気が出ている。

 一方、トラボルタは人の良い役で、お得な役だろう。子供の言うこともバカにしないでちゃんと聞く、いい大人、を演じている。この感じで行くと、別れた妻も結局は人を見る目がなかったということになる。一応、アルコールが原因で別れたことになってはいるものの、それを匂わせるシーンはごくわずかしかない。

 それでもこれがこの作品がおもしろいのは、若き日のトム・クルーズが出た怖い映画「タップス(Taps・1981・米)」や、「シー・オブ・ラブ(Sea of Love・1989・米)」、「冷たい月を抱く女(Malice・1993・米)」、「マーキュリー・ライジング(Mercury Rising・1998・米)」「訣別の街(City Hall・1996・米)」といったサスペンス系で定評のあるハロルド・ベッカーという人が監督しているから。

 予想通り、脚本も実力と実績を兼ね備えた「遠い空の向こうに(October Sky・1999・米)」「不法侵入(Unlawful Entry・1992・米)」「ジャッジメント・ナイト(Judgement Night・1992・米)」のルイス・コリックという人だった。どうりでうまいわけだ。

 子役はマシュー・オリアリーというが、ボクは最初、てっきり「ホーム・アローン(Home Alone・1990・米)」のマコーレー・カルキン少年が大きくなったのだと思っていた。マコーレー・カルキンくん、幼い内に成功を収め、それによって潰されてしまったらしい。結構似ていると思うが、どうだろう。

 元妻を演じている金髪美人は、「ミード・ザ・ペアレンツ(Meet the Parents・2000・米)」で、ロバート・デ・ニーロの娘を演じていた人。本作では「ミート……」よりずっと重みのある役で、存在感もある。

 まあ、言ってみればこの作品では、トラボルタの人の良さと、ヴィンス・ヴォーンの凶悪さが出れば成功したようなもので、この2人の出来にかかっていたともいえるのではないだろうか。そしてそれはまんまと成功したと。

 公開2日目の初回、45分前に着いたら劇場前には5人だけ。30分前に12〜13人に増えたが、ほとんどは中高年。男女比は半々というところ。あれ、この劇場もついに、飲食類の持ち込み禁止の張り紙が。あったっけ、昔から? 近くにスタバがあるっていうのに、煮詰まった劇場のコーヒーなんか飲むだろうか。ボクは並んでいる間に飲みきることにして、スタバにしたけど。

 指定10席×6列も初回は全席自由。最終的に648席に3割程度ではさみしい。早くうち切られてしまうかも。そんなに悪くないのに、なぜだろう。


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