ビスタ・サイズ/ドルビーデジタル(上映はアナログ・ドルビー)
昭和75年、日本。東京湾に1機の飛行機が墜落した。それから、異常に成長した魚が釣れるようになると同時に、レイバーを破壊する事件が同じ地域で発生。所轄の城南署刑事、久住(声:綿引勝彦)と秦(声:平田広明)はさっそく捜査を始め、正体不明の怪物に遭遇する。
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混んでいるという話を受け、無理して平日の最終回に見に行ったら、時間を間違えてすでに本編上映開始。それで期待していた「ミニパト」を見ることができなかった。 アニメは詳しくないので、一般的な映画として見た感じか書けないが、それでいくとこれは「機動警察パトレイバー」でいいのだろうか、という気がした。あえて言えば「機動警察パトレイバー外伝」という印象。特車二課はほとんど出てこず、出てくる必然もなかったのではないかと。 それより、ストーリーは娘を亡くした女性学者と、2人の刑事を中心に展開する。しかもSFでありながら、どちらかというとホラー系で、正体がはっきりするまでは結構怖い。全体を支配している、暗い雰囲気も、恐怖感を盛り上げるのに役立っている。 ラストには悲しい物語が明かされ、感動がやってくる。それでも、それが紙一重でコテコテの泣かせになっていないところに好感が持てる。もちろんハッピーな話ではないのだが。 絵は全体に大変美しいが、シロートの立場から言わせてもらうと、ちょっと中途半端な印象を受けた。理由は2つある。 1つは、登場人物の顔の印象が、ところどころ変わってしまうこと。これは、たくさんの下請けに発注されるせいかもしれないし、海外(韓国)などに出されてうまくコミュニケーションがとれなかったのかもしれない。とにかく違う印象に見えてしまうと。ちょっと感情の入れ込みが途切れて、辛い。 もう1つは、3Dで処理されているシーン(カット)とされていないシーンが混じっていること。これも気になった。たとえば、冒頭、漁船がカメラに向かってくるカットでは、舳先が画面の右から左へ3D処理で見た目に自然に移動していく(気のせいか飛び出して見えた)。ところが、その後、車が駐車場に入ってくるシーンでは、パースがカクカクと変化する今までの2D処理の移動でとても気になる。だったら気にならないようにカットを割ればいいのに、カメラに向かって入ってきて曲がるまでを1カットで見せている。予算がなくなったのか……。 かわいそうなのは、都内の上映館はどこも小劇場ばかりだということ。ほとんどは100席を切るようなマイクロ劇場。最小は44席だ。しかも、オリジナル音声はドルビー・デジタルでミックスされているにもかかわらず、対応している劇場はない。みんなアナログ館。それでも、アナログさえミックスが良いからかいい音と立体感だったのには救われた気がした。音声さんの努力は無駄になっていない。 すでに公開3週目の金曜の最終回、おそらく都内の上映館でで一番広い劇場だと思われる新宿の328席の劇場に、およそ40人ほど。ほとんどが20代の男性で、わずかに高校生らしき若者と、若い女性が5〜6人。 それにしても、時間を間違えて「ミニバト」を見逃すとはもったいない。バカとしか言いようがない。ちなみに、ウェイステッドサーティーンとは廃棄物13号のこと。これが事件の元になる。 |