2002年4月20日(土)「コラテラル・ダメージ」

COLLATERAL DAMAGE・2001・米・1時間48分

日本語字幕:手書き、下・菊地浩司/ビスタ・サイズ(ARRI 535)/ドルビーデジタル・dts・SDDS
(米R指定)

http://www.warnerbros.co.jp

コロンビアのテロ組織ALCによって起こされた爆破事件に巻き込まれ、消防士ゴーディ(アーノルド・シュワルツェネッガー)の妻と息子が死亡した。唯一犯人の顔を目撃して助かったゴーディはFBIの捜査本部に招かれるが、命を狙われたCIAのエージェント、ブラント(イライアス・コーティアス)が政治的な理由により協力を断ったため、単身コロンビアに乗り込んで、主犯と見られるクラウディオ(クリフ・カーティス)を殺す決心をする。

71点

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 いよいよシュワツェネッガーもスタローンの仲間入りか。つまり肉体派のアクション・スターは、自分から動けなくなってしまうと、その魅力が半減(急減)するという図式。ハリソン・フォードのように演技力があって、説得力もあれば年齢に応じた役ができるのに……。

 時代とか世相なんてものと関係なく、スーパー・ヒーローものは、その存在の説得力がなくなったらお終いなんではないだろうか。片っ端から悪党を捕まえては投げ、捕まえては投げして、納得してみていられるのは、少なくともスクリーン上でそう見えなければならない。それが、ヨタヨタ走って切なそうでは「ウソつけ」って思ってしまうわけで。

 つまり、シュワちゃんも寄る年波で、スーパー・ヒーローを演じられなくなってきたと。「コマンドー(Commando・1985・米)」の頃(当時38歳)なら、彼一人で小さな軍隊くらいの敵を相手に娘を助けに行っても許せるけれど、もう55歳だもんなあ。あと5年で還暦。

 もし、これが引退間近の消防士の話で、行きたくもないのに事件に巻き込まれてコロンビアまで行ってしまうのなら、納得して見られたはず。どツボにはまりながらも、持ち前のポジティブ思考と機転と、運まで味方に付けて、困難を突破していくという話ならシュワちゃんでも信じられたんではないだろうか。

 それにしても、監督がチャック・ノリスの「野獣捜査線(Code of Silence・1985・米)」やスティーブン・セガールの出世作「刑事ニコ/法の死角(Nico・1988・米)」、ジーン・ハックマンとトミー・リー・ジョーンズの傑作「ザ・パッケージ(The Package・1989・米)」、スティーブン・セガールとトミー・リー・ジョーンズの大ヒット作「沈黙の戦艦(Under Siege・1992・米)」、ハリソン・フォードのヒット作「逃亡者(The Fugitive・1993・米)」とヒット作を連発した、アンドリュー・デイビスだからだろう、有名俳優がチョイ役であちこちに顔を出している。

 たとえば、刑務所で一緒になる機械工は「ミラーズ・クロッシング(Miller's Crossing・1990・米)」のジョン・タトゥーロだし、「ボディ・カウント(Body Count・1998・米)」や「スポーン(Spawn・1997・米)」のジョン・レグイザモは麻薬密造人だ。どちらもちょっとしか出ないのに。贅沢な使い方。アンドリュー・デイビス監督でなければ実現しなかったに違いない。

 でも、この出来では……。それは演出よりもシュワちゃんと脚本の責任が大きいような気がするが……。

 公開初日の初回、45分前に着いたら25人くらいの列が。やや、意外に多い。それもほとんど50代という感じで、異常に年齢層が高い。普通アクション映画は若い人が多いはずなのに。20代と思しきはわずかに5人くらい。男女比は6対4で男性の方が多かった。

 30分前に開場して入ったら、なんと初回から指定席があるという。なんでだろう。そんなに混んでもいないのに。また混むとも思えないし。なのに10席×4列×左右2の80席が指定で、10席がぴあ席。不思議はもう一つあって、初回が11時50分からと、ほとんど昼に始まること。なんで10時頃から上映しないんだろう。人気が出ないと読んだのか。

 次第に若い人たちも増えてきて、最終的に3割ほどに。男女比はほとんど変わらず、新宿では1,288席のおよそ4割が埋まった。なんと指定席には1組のカップルが座っただけ。ああ、もったいない。

 初めにJBLスピーカーのデモと、SDDSジャングル編のデモあり。


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