2002年4月29日(月)「キューティ・ブロンド」

LEGALLY BLONDE・2001・米・1時間36分

日本語字幕:手書き、下・戸田奈津子/シネスコ・サイズ(マスク)/dts・SDDS
(米PG-13指定)

http://www.foxjapan.com


カリフォルニアのCULA大学のエル(リーズ・ウィザースプーン)は「デルタ・ヌー」という女性クラブの会長を務めるほどの人気者で、ブロンドが魅力的な明るいお金持ちのご令嬢。しかし交際中の彼氏ワーナー(マシュー・デイビス)は自分がハーバート大学のロー・スクールへ行くのに、エルはふさわしくないと一方的に絶縁してしまう。プロポーズを期待していたエルは、大ショックを受け1週間部屋から出てこなかったが、突然、自分もロー・スクールへ行くと宣言する……。

74点

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 なかなか面白い。わかりきったコメディで、ちゃんと笑わせて、感動させるのはプロの手腕といっていいだろう。初めはおバカ映画だと思ってなめていたのが、まんまと術中にはまり、ラストには主人公を応援しているのだから作り方がうまい。

 とにかくのせ方がうまい。バカバカしい映画だと引いていたのが、徐々に身を乗り出すようにストーリーにはまっていく。前半のバカらしさが、ちゃんと逆の効果を上げていて、ブロンドや美人は見かけでしか判断されず、中身は話題にもされないとか、日頃偉そうな教授面しているヤツに限って下半身のことしか考えていないとか、第一印象で物事を判断すると思わぬ間違いをやらかしてしまう、といったテーマがさりげなく受け入れられるようになっている。しかもちゃんと笑わせてくれるのだ。

 ひとつ気になるのは、本当にあんなに簡単にアメリカの名門ハードーと大学のロー・スクールに入れるものなのかってこと。まあ、アメリカの大学は入るより卒業する方が難しいと言うが……。

 おとぎ話、ファンタジーなんだから、多少のご都合主義はしようがないだろう。強引矢のごとし。ちょっとミージカルっぽいところも、ステキ。

 監督はロバート・ルケティックというオーストラリア出身の弱冠30歳の新鋭。これまでにも世界各地で賞を受賞している。女性監督が撮りそうな作品をよく男性監督がまとめたものだと思う。

 ロー・スクールでは、ファッション販売促進専攻だったエルと、まじめ一筋のほかの学生たちとの違いが際だつことなる。象徴的だったのは皆が講義でノート・パソコンを使っているのに、エルは持っていなくて新しく買うわけだが、それがオレンジ色の貝殻型iBOOKだったりする。みんながウィンドーズの黒いノートPCなのに、1人だけ明るいオレンジ。

 なるほど、ブロンド対ブルネット。マック対ウィンドーズということか。

 公開3日目の初回、45分前に着いたら、若い女性が4人。30分前に開場した時には、30人ぐらいになっていたものの、男性は4人。思いっきり恥ずかしかった。

 銀座の上映館は、指定なしの360席の5割ほどが埋まった。男性はオヤジも含め2割ほど。熟年カップルも少しいたが、メインは20代女性。これは女性誌で誉められたってことかな。


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