2002年5月11日(土)「スパイダーマン」

SPIDER-MAN・2002・米・2時間02分

日本語字幕:写植、下・菊地浩司/ビスタ・サイズ(PANAVISION)/ドルビー・dts・SDDS
(米PG-13指定)

http://www.spider-man.jp


高校生のピーター(トビー・マグワイア)は、ちょっとトロくて皆からからかわれてばかり。好きな女の子(キルスティン・ダンスト)はいるが、内気で口も利けない有様。そんなある日ある研究所の見学に行き、遺伝子操作された特殊なクモにかまれたことから、身体に変化が起き始める。

74点

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 特にスゴイ映画というわけではないが、ありふれた1人の少年が超人ヒーローとして生まれ変わる様を、じっくりと、丹念に描いている。誰が見ても、納得できるようなリアリティのあるお話になるように。

 結果として、この映画は単なるアクション・ヒーローものとして見ることもできるし、主人公と隣の家の幼なじみの女の子のラブ・ストーリーとして見ることもできる。さらに、少年から責任を負った大人へと成長する物語として見ることもできる。

 アメコミのヒーローはたいてい暗い影や過去を持っているが、本作も同様にそんなトラウマを持っている。その感じが主人公を演じるトビー・マグワイアにピッタリで、意外なようでハマっていたと思う。しかもこの役のために鍛え上げたらしく(まさかデジタルってことは……)、かなりのムキムキになっていたから素晴らしい。

 が、どうにも気になるのはCGの合成で、ビルからビルへ飛び移る様は、実写というよりまるでマンガ。動きもどこか不自然で、作り物にしか見えない。道路の上を、ビルを利用しながらターザンよろしく移動するカメラワークは驚異的としても、現実感が伴っていない。まあ、実写的マンガと割り切れば、どうってことはないが……。

 監督は同じヒーローもの「ダークマン(Darkman・1990・米)」も撮っているサム・ライミ。最近は「シンプル・プラン(A Simple Plan・1998)」とか「ラブ・オブ・ザ・ゲーム(For Love of the Game・1999・米)」など、部分部分にらしさがあるものの、ボクのイメージからいくと普通の作品が続いていた。それが「ギフト(The Gift・2000・米)」あたりから原点に戻った感もあった。ホラーにこだわって欲しい気もするが、「ダークマン」で大ヒットをとばしてユニバーサルの重役に就任したため、変わらざるを得なかったようだ。肩書きゆえのドラマ作品なのか、肩書きを得て本来撮りたかったものが撮れるようになったのか、それはわからないけれども。

 公開初日の初回、45分前、新宿の大劇場には前売り券の列に40人くらい、当日券の列に17〜18人の列。なかなかいい出足のようだ。20代が中心で、オヤジ率は10人中2〜3人といったところで、女性も(20代が多い)10人に1人くらい。小学生も見かけたが、さすがに字幕版なので、100人に4〜5人程度。

 25分前に開場。この時点では前売り券の列80人ほどの、当日券40人くらい。雨天にしては上出来か。

 最終的に女性率はもうちょっと上がり、全体の2〜2.5割に。1,044席の7.5割くらいが埋まった。初回のみ12席×6列+ぴあ12席も含めて全席自由。早起きは三文の徳というわけ。

 クモの巣に文字が引っかかっているというカッコいいタイトルは、予想通り「イマジナリー・フォース」がデザイン。しかも「セブン(se7en・1995・米)」などを手がけた主宰者のカイル・クーパーの名前があった。ほんとうまい。


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