2002年5月11日(土)「ローラーボール」

ROLLERBALL・2002・米/独/日・1時間37分

日本語字幕:写植、下・菊地浩司/シネスコ・サイズ(レンズ、PANAVISION)/ドルビーデジタル・dts・SDDS
(米R指定)

http://rollerball.eigafan.com/


近未来。ローラー・スケートをはいて鉄球を奪い合う過激なスポーツが人気を集めていた。そのスター選手の一人ジョナサン(クリス・クライン)は、ゲーム中に事故でチーム・メイトが大けがを負ったことを、事故ではなく誰かの陰謀だとしてオーナーのペトロビッチ(ジャン・レノ)に訴えるが、やがてオーナー自身が関与していることに気づく。

70点

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 いやー、スピード感だけの映画。とても「ダイ・ハード(Die Hard・1988・米)」のジョン・マクティアナン監督作品とは思えない出来。IMDbで調べたら10点満点の2.7という驚異的低得点。こんな映画も珍しい。

 何を意図して作られたのか、さっぱりわからない。オリジナルはジェームズ・カーンが主演し、「ハリケーン(THE HURRICANE・1999・米)」のノーマン・ジュイソンが監督した「ローラーボール(Rollerball・1975・米)」で、そのリメイクということになる。

 ジョン・マクティアナン監督と言えば「プレデター(Predator・1987・米)」に始まって、前出の「ダイ・ハード」、「レッド・オクトーバーを追え!(The Hunt for Red October・1990・米)」、「ダイ・ハード3(Die Hard:With A Vengeance・1995・米)」、「トーマス・クラウン・アフェアー(The Thomas Crown Affair・1999・米)」と大ヒット作がズラリと並ぶ。まあ「トーマス……」にリメイクものの第一歩を見て取ることもできるが。

 とにかく、そんな実力のジョン・マクティアナンが監督をするから、ジャン・レノも出演したのだろう。それは失敗だったと思うけど。

 主演の優男は、エッチなコメディの「アメリカン・パイ(American Pie・1999・米)」のクリス・クライン。ポスト“キアヌー・リーブス”なんだそうだけれど、これを見ているととてもそうは思えない。

 恋人オーロラを演じるのはレベッカ・ローミン=ステイモスという人で、なんかコケティッシュな女性。「Xメン(X-Men・2000・米)」で、きわどい衣装のミスティークを演じていたそうな。

 特に酷いのがスピード感を出そうとしたのだろう、アクション・シーン。本当にジョン・マクティアナンが手がけたのだろうか。それとも編集がいけないのか。方向が乱れ、カット、カットの動きがアップで速くて、何がなんだか観客にはさっぱりわからない。編集を手がけたのはジョン・ライトという人で、「Xメン」とか「スピード(Speed・194・米)」とか大作をたくさん手がけているベテランだし。

 公開初日の4回目、5時からの回は5分前に着いたら、指定席なしの406席に2.5割ほどの入り。うわー、悪い噂が先に流れたか。だってジョン・マクティアナンだよ。ちょっと映画の好きな人なら、この名前は知っているだろう。それで、この入りとは。

 20代の男性中心で、女の子は1割ほどしかいない。うーん。



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