日本語字幕:手書き、下・丸山重穂/シネスコ・サイズ(レンズ)/ドルビーデジタル・dts・SDDS
(仏U指定)
フランスのルーヴル美術館で拡張工事が行われることになり、古代エジプト・コーナーから1935年に収容されたミイラが発見される。ところが検査された跡もなく、改めて科学的なメスが入れられることになった。ところが、その時からルーブルを中心とした一体で停電など異常な事態が頻発する。 |
昔から作り続けられているエジプトのミイラののろい系ミステリー。目新しいところはないが、ソフィー・マルソーの美しさと熱演に加えて、本当にルーヴル美術館で撮影されたという本物の美術品の数々がこの映画を独特のものにしている。それだけで見る価値がある。 まあ、おそらくは「ハムナプトラ(The Mummy・1999・米)」の大ヒットに刺激されて作られたのだろう。内容的には多くのピラミッドものと大差ない。ちょっと前だとチャールトン・ヘストンが出た「ピラミッド(The Awakening・1980・英米)」のようでもある。最近だとラッセル・マルレイ監督の「タロス・ザ・マミー(Taros, The Mummy・1998・米)」もあったなあ。 ただ、デジタル技術が進歩したので、いろいろなイリュージョンが見せられるので、より映画的になったというか。でも、最初からガイコツのような霊体のようなものが飛び交う姿を見せられると、いくらそれが透けていてリアル風であったとしても、ちっとも怖くなくなってしまう。得体が知れないから怖いのだ。だから、たぶん、この映画はあまりCGIを使わずに、ヒッチコック的な見せ方で、あるいはスピルバーグの「ジョーズ(Jaws・1975・米)」的に、あるいは初代の「ゴジラ(1954・日)」風に撮っていたら、きっと怖くて面白い作品になっていたに違いない。 ちなみに、この映画でもルーヴル美術館に日本人ツアー客がいる。それを日本語でフランス人がガイドしているのだから、やっぱり日本人観光客は多いのだろう。やれやれ。 なんでも、本作はフランスでは先にテレビでシリーズ化されていたらしく、テレビ版の主役がカメオ出演しているという。本国では盛り上がったのだろう。日本的にはスキャンダルの多いソフィー・マルソーと、大ヒット作「タクシー(Taxi・1997・仏)」のフレデリック・ディフェンタール以外はちょっと辛い。 公開2日目の3回目(銀座の劇場は初回が「突入せよ!」で、2回目から本作の上映)、50分前に着いたら、ロビーにはオヤジ2人の若い男性1人。15分前になってようやく30人以上になった。6.5割は女性という感じ。またジジ。ババも6.5割ほど。平均年齢はかなり高そうだ。ルーヴル美術館とソフィー・マルソーで若い女性が多いと思ったら、意外な展開。 それにしても、この銀座の劇場は、床にほとんど傾斜が付いていないのに、どの席からでもスクリーンが見やすい。イスも大きく背もたれが高いのがいい。他館も見習って欲しい。しかも指定席無しだし。 ただ、スクリーン中央部分にピンの甘いところがあったのだけはいただけない。 |