2002年6月22日(土)「ニューヨークの恋人」

KATE & LEOPOLD・2001・米・2時間01分

日本語字幕:手書き、下・戸田奈津子/ビスタ・サイズ(パナビジョン)/ドルビーデジタル・dts・SDDS
(米PG-13指定)

http://www.ny-love.com/


1876年4月28日、両親を亡くし後見人の叔父に世話になっていたレオポルド侯爵(ヒュー・ジャックマン)は、イギリスからアメリカに渡って、富豪の娘と結婚しなければならない運命にあった。しかし、相手を発表する直前、奇妙な服装と怪しい振る舞いの男を発見し、後を追いかける。男は建設中のブルックリン・ブリッジに登り、レオポルドと一緒に落下してしまう。

77点

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 やっぱりこういうラブ・コメディはメグ・ライアンということになるのだろう。ラブ・ミメの女王、健在なり。それに加えて、スマートで爽やかなヒュー・ジャックマン。立ち居振る舞いがエレガントで、公爵(デューク)にぴったり。彼が出演しなかったら、この設定が信じられたかどうか疑わしい。

 まず笑わせてくれるのは、同じアパートの真上の部屋に元彼が住んでいるという点。それでいい完成を続けているというのは、いかにもコメディらしい設定だろう。ヒロインの会社にはセクハラおやじの上司がいて、彼女を狙っている。

 一番は当然1876年の男が、現代のニューヨークに来て味わうギャップ。犬の糞の始末や、レディが席を立つ時は男性も立ち上がるという習慣や、ナイフとフォークの使い方まで、ちゃんと笑わせてくれる。

 そして、そのギャップを通じて、現代人の悩みや矛盾をズバリ明らかにしてしまう。この辺に心打つものがある。ボク自身にも効いたのは、土日と二人でデートした日曜にメグ・ライアンがヒュー・ジャックマンに「日曜はキライ」というようなことを言う下り。「なぜ」「もう明日、会社に行かなければならないから」これって、ボクがいつも思うこと。楽しく映画を見て、のんびりおいしいものを食べて、ぶらぶら買い物をしたりする。けれどこの楽しい時間はやがて終わり、もう会社へ行くため準備をして早く寝なければならない……。「ある、ある」って思って見ていたら、あとでヒュー・ジャックマンが言う「キミは仕事がキライなんだろ。だから月曜に行きたくなくなるんだ」 そうなんだろうか、仕事がキライだから、日曜の夕方には憂鬱になるんだ……ちょっとショック!!

 まっ、こんな具合に、興味深いエピソードがたくさん散りばめられて、それがしかも宝石のようにキラキラ輝いている。こんなに映画を見逃す手はないと思う。

 それにしても、聡明で明るくチャーミングな女性と、爽やかで人の良さそうなハンサムという、誰が見てもお似合いの美男美女カップルでさえ、お互いにパートナーを求めていたとしても、何かきっかけがなければ恋が始まらず、深まっても行かないということ。なるほどなあ。映画でもそこをリアルに描かなければ、いかにもウソの恋物語になってしまう。誰でも知っている恋がテーマだからこそ、じっくり本当らしく作らないと(男性ならこのメグ・ライアンに惚れるし、女性ならヒュー・ジャックマンに夢中になるくらいの気持ちを観客にも抱かせなければ)目の肥えた今の観客を感動させることはできないのだ。

 ちなみに、この作品でメグ・ライアンはMacユーザーという設定。職業も広告業界のマーケティング担当だし、妥当な設定とは思うが、だいたい「ユー・ガット・メール」でもトム・ハンスクがWindowsユーザーで、メグ・ライアンはMacユーザーという設定だったし……ひょっとしたら本当にMacユーザー? 「Mac G5のメモリーはいくら必要なの」なんてセリフまである。G5はまだ発売されていないから、映画が古くさくなってしまわないように次期モデルの名を入れたのだろう。

 すてきな曲がふんだんに使われているが、ラスト、エンド・クレジットで流れるスティングの「Until」は、ゴールデングローブ賞の最優秀主題歌賞を受賞しただけあって、素晴らしい名曲の印象。ムードがありながら、どこか切ないため息のような曲。アルバムも買いではないだろうか。

 2週目の初回、50分前に着いたら、「スター・ウォーズ・エピソード2」の先先行ロードショーの特別前売り券発売日。長蛇の列ができている。それと重なったため、大混乱。係員が、すでに列ができつつあるのに勝手に後ろに並ぶ位置を指定したものだから、すでに並んでいた人たちは、列が乱れととまどった。うーん、これでいいのか。さらに大混乱した。というのが40分くらい前のこと。

 列は20人くらいから始まってどんどん伸び出し、開場した30分前の時点では、最後尾が見えないくらい。

 男女比は3:7で圧倒的に女性の方が多い。まっ、これは当然か。若い女性が特に目立つ。老若比はほぼ半々と言うところだろうか。


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