日本語字幕:手書き、下・林 完治/ビスタ・サイズ/ドルビーデジタル・dts・SDDS
(米R指定)
ヴァンパイアと人間のハーフであるブレイド(ウェズリー・スナイプス)は、ヴァンパイアにさらわれた育ての親で武器係のウィスラー(クリス・クリストファーソン)を救出、隠れ家に戻ると、ヴァンバイア一族から停戦の申し入れが入る。共通の的「死神族」(リーパーズ)が現れたというのだ。 |
前作を超える続編。もちろん前作があっての続編だが、アクション満載でカッコよく、曲も素晴らしい。ノレる。何かを訴えてくるとか、そういう映画ではない。見て楽しみ、手に汗握るという、映画の原点に返ったような映画。 とにかくあらゆるものがカッコ良く撮られている。結構たびたび警察のご厄介になって問題を起こしているウェズリー・スナイプスが、めちゃくちゃカッコいい。さすがは自分でプロデュースしているだけのことはある。ただ、この人、本気で用兵学校を作ろうとして、州政府から禁じられたというだけあって、かなり右翼的な傾向があるらしい。そのせいかブレイドはなんでも暴力で解決してしまうのだが。 このカッコいい映像のジェットコースターを作ったのは、ギレルモ・デル・トロというメキシコ生まれの監督。「ミミック(Mimic・1997・米)」が有名だが、それより面白いのは監督デビュー作の「クロノス(Cronos・1992・メキシコ)」だ。怪優ロン・パールマンがぶきみで、不思議な怖さがあった。そこで輝いていた才能の片鱗が、本作で開花したというか、炸裂したというか。ウェズリー・スナイプスにやらされたというか。 しかし、今回の本当の立て役者は、ファイト・コレオグラファー(殺陣師)を務めたドニー・イェンだろう。彼は香港映画ではそれほど輝かなかったが(「ドニー・イェン COOL(殺殺人・跳跳舞・1998・香)」など酷かった)、海外で高い評価を受けている。ボクは密かに、彼は結構な映画オタクではないかと踏んでいるのだが。 とにかく、この人のおかげで本作は断然良くなったのだと思う。映画オタク(たぶん)らしく、日本のチャンバラ映画も研究しているようで、スナイプスが背に背負った直刀も日本刀風なら、斬り方も時代劇風。真剣白刃取りまでしてみせるのだ。それがまたカッコいいわけ。ひょっとすると「修羅雪姫(2001・日)」が良かったのも、釈由美子が輝いていたのも、みんなこの人のおかげかも。 なんでも、本作では日本人の設定の吸血鬼部隊「ブラッドパック」の1人、スノーマンは別な役者がやる予定だったのが出られなくなり、スナイプスの推薦でドニー・イェンがやることになったらしい。そして、身につける鎧に日本語でスノーマンを直訳した「雪男」と書かれていたのを勘弁してくれと「雪」だけに直したらしい。偉い、ドニー・イェン!! 銃好きのスナイプス・プロデュースらしく、銃器はふんだんに出てくる。ベレッタM92ベースのナイフ付きカスタムや、デザート・イーグルベースのナイフ付きカスタム、イングラムM11のカスタム、50口径のバレット・アンチ・マテリアル・ライフル、100連ダブル・ドラムのCマグ・マガジン付きM16とか、とにかくすごい。 もちろんCG使いまくりなんだけれど、早回しはどうなんだろう。テンポを出すためだろうけど、より一層ウソくさくなってしまうと思うけど。 公開2日目の初回、45分前に銀座の劇場に行ったらすでに13人ほどが列を作っていた。メインは20代の男性で、オヤジが5人の若い女性が3人という感じ。 30分前に開場した時点で、30人くらいの人。指定席無しの746席はウナギの寝床のように縦に長く、スクリーンはお世辞にも大きいとは言えない。しかも床に傾斜が付いているにもかかわらず、前席どころか前前席に人が座ってもじゃまになるというスゴさ。でも前売りが劇場指定で、都内の場合、新宿も座席が酷い上にアナログ音声だし……。銀座の劇場ならデジタル音声だから……。まあ都内有数のワースト劇場だろう。 せめて前の席に荷物をおいて人を座らせないとか、とりあえず座って様子を見、上映が始まってから見やすい席を探すとかした方がいいかもしれない。うーむ、辛すぎるぞ。 最終的な混み具合は7割ほど。この劇場でこれだけ入るとみなさんよくスクリーンが見えなかったのではないだろうか。ここは5割くらいの混み具合でないとハッキリ言ってスクリーンはよく見えない。 |