2002年6月29日(土)「ワンス・アンド・フォーエバー」

WE WERE SOLDIERS・2002・米・2時間18分

日本語字幕:手書き下、岡田壮平/シネスコ・サイズ/ドルビーデジタル・dts・SDDS
(米R指定)

http://www.once-jp.com/


1964年、アメリカは混迷するベトナムに軍の派兵を決定し、ハロルド・ムーア中佐(メル・ギブソン)に指揮を任せる。1965年11月14日、ムーア中佐は第七航空騎兵隊として400人規模で、敵兵2,000人が待ちかまえるイア・ドラン渓谷に展開し、壮絶な戦いを繰り広げることになる。

73点

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 感動の戦争映画。激しい戦闘シーンが多く、いくらNの女性たちの姿も描かれているとはいえ、ちょっと女性にはキツイ作品だと思う。それがクリアできるなら、感動の物語。気持ちよく泣ける。

 とはいえ、映画の構成としてはほとんどアメリカ建国の物語を描いた「パトリオット(The Patriot・2000・独米)」と同じ。ただ時代が18世紀から20世紀に移っただけで、「アメリカ讃歌」に変わりはないじゃんって。

 見方によっては、人と人が殺し合う戦争というものに真実があるとすればそれは1つで、どんなに時代が変わってもそのことだけは変わらないんだ、ということはあると思う。独立戦争であろうと、ベトナム戦争であろうと。

 そしてまた、人間というのは200年近くの時間がたっているというのに、ちっとも進歩していない愚かな生き物だという見方もあるだろう。

 でも、やっぱりメル・ギブは最初は戦争に反対し、ひとたび起これば徹底して戦い、同胞を守り抜く。アメリカはこうやって血を流して国を作ってきたと、同じ中クラスの指揮官(中間管理職)の役どころで訴えかけてくる。

 悪くはないと思うけれど、CMでいっているような「愛」だの「敵にも家族がいた」という点を特に強調して描いているわけではない。たぶん今の時代そういう免罪符がないと現代戦は描くにくいのかもしれない。

 そう思ってみると、監督のランダル・ウォレスはもともとは脚本家で、なかなか楽しめた冒険活劇「仮面の男(The Man in the Iron Mask・1999・米)」で監督デビューを飾り、同じくメル・ギブの出演・監督作品「ブレイブハート(Braveheart・1995・米)」の脚本家としても知られる人。

 映画の中でベトナム戦争初期に採用されたM16ライフルに触れるシーンがある。若い兵士は抵抗なく受け入れているが、サム・エリオット演じるベテラン上級曹長は、あんなものはダメだと.45口径のピストル、ガバメントを使う。しかし、白兵戦ならともかく、通常の戦闘でピストルだけでは長生きできないだろう。
 公開初日の初回、50分前についたら、並ばないオヤジが1人に、20代の若い男性が1人。30分前に入場しなったが、なぜか嬉しいことに前売り券と当日券の引き替えは必要ないという。やっとこれでまともになった。

 


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