2002年7月13日(土)「ラッキー・ブレイク」

LUCKY BREAK・2001・英・1時間47分

日本語字幕:手書き下/シネスコ・サイズ(ARRI)/ドルビーデジタル
(英12歳指定)

http://www.luckybreak.jp/


ドジな銀行強盗のジミー・ハンズ(ジェームズ・ネスビット)は、相棒のドジから逮捕され、刑務所に入れられてしまう。そして脱獄するため、所長が定年までにやりたかったというミュージカルに参加することにするが……。

74点

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 この映画のできは、ほとんど主人公のジェームズ・ネスビットのキャラクターにかかっていたのではないだろうか。犯罪者なのに、どこか憎めなく愛嬌もあり、正義感も持っている。すごいハンサムというわけではないが、愛すべきキャラクター。ああ。だからこの映画はとても魅力的。ヒロインも美しくて、やたらすぐに足を開くようなタイプでもないし。最近ボクが見た中では「ウェイクアップ! ネッド(Waking Ned Divine・1998・アイルランド)」というブラック・コメディに出ている。

 主人公を気に入らなければ、この映画はゆるゆるで、ちょっとおかしいくらいのB級ムービー。彼を受け入れられて、ヒロインもOKなら(「シックス・センス(The Sixth Sense・1999・米)」でブルース・ウィリスの奥さんを演じたオリヴィア・ウィリアムス)この映画はラブ・ストーリーあり、脱走のサスペンスあり、囚人と妻の絆の問題あり、なかなかの意欲的なコメディ仕立ての犯罪劇、一種のピカレスクもの。

 またミュージカルが1つのカギになっていて、囚人たちにミュージカルをやらせる引退間近の刑務所長に、あの大傑作ミュージック「サウンド・オブ・ミュージック(The Sound of Music・1964・米)」のトランプ大佐こと、クリストファー・プラマーを配するという憎いキャスティング。

 監督のピーター・カッタネオというひとは、この前に傑作コメディ「フル・モンティ(The Full Monty・1997・英)」を撮っている。やはり映画好きな監督らしく、「大脱走(The Great Escape・1963・米)」とか「南太平洋」とか名作映画のタイトルがところどころに散りばめられている。

 やはりうまいのは、本当に憎たらしい憎まれ役をちゃんと配していること。警察というか刑務所側のいわば良い方の人間なのに、収容されている囚人よりも悪いという役柄の看守。ロン・クックという人が好演している。

 公開初日の2回目、40分前についたらロビーには5〜6人の人。35分前から増えだして、すぐ20人ほどに。30分前に列を作るため並ばされた。劇場が小さいので列を作るのが早い。その方がインチキするヤツはいなくなるし、混乱がないので良いと思うけど。

 男女比は4.5:5.5でやや女性が多いか。20代の若者も多いが。中高も意外に多い。ほぼ半々くらいだろうか。開場時点で、非常に見にくい指定席なしの192の客席の3割ほどが埋まった。

 この劇場は前の席に人に座られるとスクリーン下が見えなくなる(スクリーンも低いので字幕が下にあると読めなくなる)ので、人が新しく来ると、みな移動する。特に中央寄りに座るとつらい。

 最終的に7.5割ほどの入り。


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