2002年7月13日(土)「スターウォーズ エピソード2 クローンの攻撃」

STAR WARS EPISODE 2・2002・米・2時間22分

日本語字幕:写植下、戸田奈津子/シネスコ・サイズ(パナビジョン・デジタル)/THX・ドルビーデジタル・dts・SDDS・ドルビーEX・dts-ES
(米PG指定)

http://www.starwars.com/


離脱する星系が増え始め、共和国は崩壊の危機にあった。そんな中、元老員議員となったパドメ(ナタリー・ポートマン)は重要案件に投票するためコルサントを訪れるが、何者かに命を狙われる。パドメを警護するためジェダイ評議会はオビ=ワン(ユアン・マクレガー)とアナキン・スカイウォーカー(ヘイデン・クリステンセン)を派遣するが……。

73点

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 エピソード1の反省からか、次から次へと冒険満載で、戦闘シーンもてんこ盛り。CG使いまくりで、絵のような美しい場面がつぎつぎと現れる。あまり出来過ぎ、完璧すぎてかえって嘘くさい気もするが、とにかく描かれている世界が 明らかに後の話となるエピソード4とか5より進んでいる。空にはびっしりとエアカーが飛び交っている。すごい物量と、最先端のデジタル・ビデオ・カメラで、大人のおとぎ話を豪華に描いてみせる。

 許されない恋もある、陰謀があって、大人への成長があって、親子の愛もある。冒険に次ぐ冒険、強大な敵。これが映画、これこそ映画の神髄……となるはずが、なぜか感動が薄い。画面は絵画のように美しい(裏返すとリアル感が薄い)し、悪いところはないように思えるのに、なぜなんだろう。

 作品全体としての位置づけは、前作のエビソード1を受けて結末に当たるエピソード3へつなぐというポジション。そのせいか印象としては第2作「帝国の逆襲(The Empire Strikes Bac・1980・米)」に似ている。つなぎ。これが印象を薄くしているのかも。

 また、随所にあまりに使い古されたネタが多すぎるということもあるかもしれない。CMですっかり有名になってしまった「飛ぶのが嫌い」というのだとか、追いかけっこの途中で主人公たちをいじめているとしか思えないプレスとか溶接する機械がまんまと現れたり(「ギャラクシー・クエスト(Galaxy Quest・1999・米)」で出演者が指摘している)などなど。

 ラストのヨーダとかもどうなのかなあ。笑えることは笑えるんだけれど、そういうシーンじゃないと思うし……。愛していると告白するシーンも、下世話で申し訳ないが、どうしても「やらせろ」と迫っているようにしか聞こえてこないんだけど……。禁欲の誓いというのがジェダイに必要というのがだいたいにおいて理解できないというのに、その彼らがプラトニック一気に飛び越えて迫るというのは、それしかないと思う。うーん、ボクが考え過ぎで、浅はかなのか。

 公開初日の初回、T・ジョイ大泉と並ぶ銀座の都内で2カ所しかないDLP(デジタル)上映館は80分前にすでに120〜130人ほどの行列。それでも70分前に開場してくれたので、涼しい場内に入ることができた。良かった。

 普段より多い17席×8列と、ぴあ席17席も初回のみ全席自由。60分前で654席のほぼ5割が埋まってしまった。男女比はほぼ半々、年齢的には中学から中高年まで幅広いが、中心はほとんど20〜30代。

 銀座はライト・セーバーとか持った人が少なくてよかった。ああいう人たちは映画を見るのが第一の目的じゃないからなあ。一般公開であまりホットな人がいると場内に温度差がありすぎて居心地悪くなってしまう気がする。

 DLP上映というのは特に気づかないほどで、本当にフィルムではなくデジタルだったのか疑いたくなるほど。むしろアニメなど実写と違う作り物の方がデジタルだとクリアに美しく再現できて、違いがわかりやすいのかも。

 いずれにしても音はきれい。クリアでダイナミックレンジが広く、サラウンドの移動感や包み込む感じがすばらしい。


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