日本語字幕:写植下、戸田奈津子/ビスタ・サイズ(パナビジョン)/ドルビーデジタル・dts・SDDS
(米PG指定)
リトル家の次男となったネズミのスチュアート(声:マイケル・J・フォックス)は、長男の人間のジョージ(ジョナサン・リップニッキー)と一緒に学校に通っていたが、ある日、スチュアートの運転する車に鷹のファルコン(声:ジェームズ・ウッズ)に追われたカナリヤのマーガロ(声:メラニー・グリフィス)が羽を折られて飛び込んでくる。 |
はっきり言って前作よりおもしろい。ストーリーはよくある詐欺師もの。だますつもりが本気になって、っていうヤツ。TVドラマでは限りなく描かれてきた。材料は同じでも、適切なキャラクターと、巧妙な演出を経ると、おいしい別の料理ができあがる。そのお手本のような映画。 この手の詐欺は、古くはチャップリンの「キッド(The Kid・1921・米)」やライアン・オニールと実の娘テイタム・オニールが競演した「ペーパー・ムーン(Paper Moon・1973・米)」、そして大仕掛けの「スティング(The Sting・1973・米)」とよく映画に描かれ、それも名作が多い。「狼たちの絆(Once Thief・1991・香)」も似たような感じ。 男を女がだまそうとして、という話はスパイものに多い。そして戦争物にも。実際、第二次世界大戦ではドイツ将校と恋に落ちたフランス娘も多くいたという。彼女らは終戦後、大変な迫害を受けることになる。幽霊ものだが「チャイニーズ・ゴースト・ストーリー(倩女幽魂・1987・香)」は同じ設定と言っていいだろう。 閑話休題。3D-CGという最先端なものを使いながら、テーマは昔からあるオーソドックスなものした。そればかりか。使われている音楽までが50年代から60年代にかけての往年のファミリードラマ風。だいたいこんな理想的な、いい人だらけの、善意が蔓延しているような家庭などあるわけがない(?)。これが存在したのは50年代から60年代にかけてのファミリードラマの中だけ。たとえぱ「カラー・オブ・ハート(Pleasantville・1998・米)」のような世界(でもホントはどろどろしていたわけだが……)。 現代家族を描いたら、ゲイがいるかもしれないし、親子の断絶があったり、不倫があったり、家庭内暴力、果ては近親相姦まであるかもしれない。それが、この家族愛。たとえネズミであっても家族の一員として認められたら、とことん大切にして、守り抜くと。これにも感動させられる。 公開初日の初回(字幕版の。それまでに日本語吹き替え版をすでに2回上映)、60分前についたらロビーに若い女性2人。やがて若いカップルが増えだして、20分前に入替えになった時、20人ほどに。 男女比はほぼ半々で、若いカップルが中心。中高年は非常に少ない。小学生くらいもいたが、字幕は大丈夫なのか。外人さんの母娘も来ていた。最終的には指定席なしの406席に3割ほどの入り。なかなかいい映画なのに……。 |