日本語字幕:手書き下/ビスタ・サイズ(ARRI 535)/ドルビーデジタル
依頼を受けて闇取引の現場から現金を奪い返すプロ、リターナーのミヤモト(金城武)は、仕事の現場で謝って少女(鈴木杏)を撃ってしまい、しかたなく家に連れて帰るが、偶然にも少女は胸のポケットに入れていた金属板のおかげで弾丸は止まり、気を失っていただけだった。気がついた彼女は重大な仕事を手伝ってくれと、とんでもない話を始める。 |
同じ監督の前作「ジュブナイル(2000・日)」のことがあったので、ちょっと心配だったのだが、ズバリおもしろい。これって、SFだけどかなりのアクション映画の王道を行っているだろう。話はだいたい想像できる展開をたどるが、ちゃんと伏線を引いてどんでん返しが用意されている。だから結果を友達に言わないように。って、これ、すでにヤバイ? 山崎貴監督はかなりの映画好きなのか、名作へのオマージュがあちこちに埋め込まれている。やや子供向きの感もあるものの、十分大人も楽しめる作品に仕上がっている。たぶん、ここが大切。しかもアクションとVFXだけで構成するのではなく、ちゃんと恋愛ものの要素も取り込み、当代一の金城武というスターを得て、ロマンティックで魅力的な女性にも楽しめる物語を作り上げたと。 腕につけている時間コントロール装置は、オジサンは昔のNHK少年ドラマシリーズ「不思議な少年」のサブタン(太田博之)の装置を思い出してしまうだろう。「時間よ、止まれ」のアレを。「インデペンデンス・デイ(Independence Day・1996・米)」のあのシーンや、「アビス」のあのシーンに似ているところもある。 いろいろ細かいところを突っ込むことはできるだろうが、少しも飽きさせないでラストまで一気に見せてしまう構成と演出は、大型監督登場を予感させる。憎たらしい敵役を作り上げることができた時点で半分は成功していたのかもしれない。それが多少エキセントリックすぎていたとしても。 全体の印象を一言で言えば「ターミネーター(The Terminator・1984・米)」だろう。未来から、戦争の元になった最初の原因を取り除きにくる。しかもタイム・トラベルは光球体だ。さすがにトラベラーは鈴木杏ちゃんなので裸というわけではないが。 公開初日の初回、新宿の劇場は60分前だというのに。すでに11人ほどの人が並んでいる。うち半分はオバサンで、オヤジが2〜3人。20代の若い男女2組。つまり女性がずっと多いということ。40分くらい前から増えだして、下は小学生から、中学・高校生、上は老人まで、かなり幅広い。 30分前に開場し、この時点で50人ほど。新宿は指定席のない劇場だったのでどこでも気にせず座れる。最終的には586席に7割ほどの入りはごりっぱ。 初日プレゼントがあって、はがきサイズのロゴ入りステッカーをもらつた。得したんだよね、これって。 |