2002年9月1日(日)「13ゴースト」

THIR13EN GHOSTS・2001・米・1時間31分

日本語字幕:手書き下、岡田壮平/ビスタ・サイズ(1:1.66)/ドルビーデジタル・dts・SDDS
(米R指定)

http://www.13ghosts.jp/
(音声付き要注意、しかも悲鳴!! 全国の劇場案内あり)

大富豪の冒険家サイラスは(F・マーレー・エイブラムス)、霊能者ラフキン(マシュー・リラード)を使って霊を集めていた。そして12体目の霊を捕獲したその日、事故で死亡してしまう。莫大な遺産のうち豪邸が従兄弟のアーサーに渡されることになり、一家で引っ越しをしてくるが、そのはガラス張りの奇妙な建物だった。

72点

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 おお、堂々たるB級映画。それにしても「スクービー・ドゥー(Scooby-Doo・2002・米)」でいままでと180度ちがったキャラを演じて見せた「デッドマンズ・カーブ(The Curve・1998・米)」のサイコ、マシュー・リラードや、「アマデウス(Amadeus・1984・米)」でサリエリを演じ強烈な印象を残した名優F・マーレー・エイブラムス、「相続人(The Gingerbread man・1997・米)」や「アンドリューNDR114(The Bicentinnial Man・1999・米)」の美女エンベス・デイビッツなど、有名どころがずらりと出ていて、雰囲気はA級。でも始まってしまえばりっぱなB級。ボクはB級が好きだ。

 話は単純。閉じこめられたカラクリ屋敷からどうやって脱出するか。誰が生き残るのか。そこに徹底的に非情で残虐な霊を持ってきて、霊が見える眼鏡とか、迷路という要素をぶちこんだと。これはこれで正解でしょう。あとは陳腐さを感じさせずに、最後までハラハラドキドキさせてくれればいい。つまり「バイハザ」になってればいいわけだ。

 ただ、その単純なことが一番難しいわけで、本作はちょっと観客に疑問を持たせてしまうところがある。それが惜しい。

 アイディアはすばらしく、最初ガラス張りに見えた豪邸が次第に姿を変えるさまや、そのガラスの壁に奇妙な文字が「耳なし芳一」の体のようにびっしりと書き込まれていたりと、雰囲気を盛り上げる要素も満載。

 ボクが残念に思ったのは、残虐な霊たちが霊と言うよりはモンスターにしか見えないこと。特殊メイクは確かにすごい。それだけで十分怖いが、それは瞬間的な見た目の怖さで、恨み辛みのじわーっとくる怖さとは異質のものだ。酷い怪我をした人を見る怖さのようなもの。ナイト・シャマランの「シックス・センス(The Sixth Sense・1999・米)」や、「エクソシスト(The Exorcist・1973・米)」「エンティティ/霊体(The Entity・1982・米)」「悪魔の棲む家(The Amityville Horror・1979・米)」の怖さはここにはない。

 製作のロバート・ゼメキスは、本作がデビュー作となるコマーシャル界の特殊美術監督だったスティーブ・ペック監督が、ビンゴとなった「さまよう魂たち(The Frighteners・1996・米)」のピーター・ジャクソン監督(「ロード・オブ・ザ・リング」)の柳の下のドジョウとなることを狙ったのだろう……。まっ、こういうこともあるさ。

 公開2日目の初回、45分前についたらオヤジが1人。じわじわと人が増えていって、20分前に開場したときには15〜16人になっていた。2/3はオヤジたちで、1/3が高校から大学くらいの若い人たち。最近はホラー映画を見なくなったのだろうか。昔はホラーといえば若い人しかいなかったものだが。

 「スパイダーマン(Spider-man・2002・米)」系の3Dのかっこいいタイトル・クレジットは、ピクチャー・ミルというところ。最近割と目にするようになったので、要チェックだろう。とにかくセンスがいい。

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