2002年9月29日(日)「完全犯罪クラブ」

MURDER BY NUMBERS・2002・米・2時間00分

日本語字幕:手書き下、林 完治/ビスタ・サイズ(Panavision)/ドルビー・dts・SDDS
(米R指定)

http://www.warnerbros.co.jp/murder/index.html

秀才だが陰気なジャスティン(マイケル・ピット)と、大金持ちの息子で高校一のプレイボーイ、リチャード(ライアン・ゴスリング)は、ともに同じクラスで、違いすぎる性格故に友人同士だった。そして、目標もなく、やることも何もないことから、ジャスティンが机上で組み立てた完全犯罪を実行に移すことに決めるが……。

72点

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 うーん、よくある話だと思うが、味付けがうまいので、ついつい最後まで見せられてしまう。これまたサンドラ・ブロックが製作総指揮を兼ねた主演作品。なんでも彼女、気に入った俳優がいると相手役に据えて映画を作るという噂があるそうで、本作でもだれか気に入った相手役がいたのか。でも、それって当たり前じゃない?

 美形といえばリチャード役のライアン・ゴスリングだが、絡みはわずかだし、すると相棒役のベン・チャップリンか。でも美形とはかなり違うが……。

 とにかく、やっぱりサンドラ・ブロックは偉いと思う。彼女は自分の納得できる映画に出るために製作総指揮をみずからやっているのだろう。納得できないのに、かわいいだけのお飾りのような女性を演じるというようなことができなかったのかもしれない。「スピード(Speed・1994・米)」でブレイクして、その2を撮る前の1996年からプロデューサーをやっている。

 アクション映画ファンに嬉しいのは、彼女は自分のブレイクのきっかけとなったアクションを大切にしているらしいこと。自分プロデュース作品はアクションもの、中でもポリスものが多い。浣腸の女王で脇役に徹した「ガンシャイ(Gunshy・2000・米)」、警察シンデレラ・ストーリー「デンジャラス・ビューティー(Miss Congeniality・2001・米)」とすべてポリス・アクション。わたしゃ、支持しますぜ。今回はあだ名がハイエナだもんなあ。その理由はハイエナの雌には小さな疑似ペニスがあるからというもの。自分から汚れを買って出ているわけだ。逆に気持ちいいのかもしれないが。

 監督のバーベット・シュローダーは、ジェレミー・アイアンズが素晴らしかった「運命の逆転(Reversal of Fortune・1990・米)」や女二人の戦いが恐ろしい「ルームメイト(Single White Female・1992・米)」、ギャングというよりはチンピラものといった感じの「死の接吻(Kiss of Death・1995・米)」、マイケル・キートンの悪役が良かった「絶対×絶命(Desparate Measures・1998・米)」など、ちょっと陰気なサスペンスものが多い人。当然、本作もそういう雰囲気に仕上がっている。

 細部に妙に凝ったところがあり、飲む酒がアブサンだったり(ちゃんとそう発音している)、使っているパソコンがアップルのパワーブックG3だったり、ニコンの一眼レフ・デジカメだったり、シルバーのS&Wオート(.45?)だったり、ビデオカメラがDVだったり……。

 公開2日目の初回、198席の小劇場は45分前に誰もいなかった。自分1人。さすがに急遽公開が早まっただけあって、広告が十分でなかったのだろう。20分前に開場したときでさえ、たったの8人。若いカップル2組の、老女2人、オヤジ2人。

 その後、中年カップルなどが現れ、5分前で35人ほど。そして場内が暗くなりCMと予告が始まる頃オヤジが増えて50人ほどに。見るんなら、もっと早く来いよ。


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