日本語字幕翻訳:栗原とみ子/ビスタ・サイズ(Panavision)/ドルビーデジタル・dts・SDDS
〈米R指定〉
シカゴ市警のシャロン(ジェニファー・ロペス)は、逮捕した犯人から逆恨みされ、襲撃されるが、キャッチと名乗る男(ジム・カヴィーゼル)に救われる。やがて二人は愛し合うようになるが、お互いに心に大きな傷を負っていた。 |
いやあ、久しぶりに両目から涙があふれてしまった。恥ずかしい。ただ、この映画で解決するのはただ二人の愛だけであって、実のところ解決していない問題はたくさん残されたまま。なんでもかんでも解決してハッピー・エンドが良い、というわけではないのだけれど、話を盛り上げるために次々と用意された障害がほとんど解決されないのはあまりに無責任ではないのか。IMDbでの評価も低く5.8。厳しすぎる気もするが、アメリカ的には支持されないということだろう。 ただ、恋愛映画ではあるけれども、それより人は誰でも問題を抱えていて、それに四苦八苦しながら生きているんだと、そういうほうが強く印象に残る。そして、愛する人が支えてくれ、和らげてくれ、生きる価値を与えてくれると、そんな感じ。ひとり者のボクなんぞには結構つらい映画だったりする。 ひとりで内なる自分とだけ会話を続けていると袋小路に行き当たり、どうどう巡りをしたあげく、悲観的な考えに至ってしまうと。 たぶん、ただのラブ・ストーリーなら見なかったと思うが、主人公のシャロンの職業が警察官ということで見る気になった。期待通り、ちゃんと銃撃戦もあった。しかもなかなか派手。ジェニロペはベレッタM92を振り回してくれる。アクション部分がしっかりしているから、全体がしまっている。 監督の趣味なのか、やや日本的なものが多いのは意外だった。ジム・カヴィーゼルは床にゴザのようなものを敷いて、布団を敷いて寝ているし、キーのひとつである子供のオモチャの1つがパワー・レンジャーだったりする。 曲も印象的で心に染み入るようなものが多い。CDアルバムがあれば買いかも。ただ、辛いし、問題はほとんど解決していないし。問題はここか。 監督はメキシコ生まれのルイス・マンドーキという人。若いジェームズ・スペイダーとオバサンのスーザン・サランドンの恋愛を描いた「ぼくの美しい人だから(White Palace・1990・米)」や、夫婦の愛の崩壊を描いた「男が女を愛する時(When a Man Loves a Woman・1994・米)」、前売り無しの当日1,000円で公開しそれだけが話題になってしまった「メッセージ・イン・ア・ボトル(Message in a Bottle・1999・米)」などで知られる。どれも話題作だが、どうにも暗いものばかり。なるほどね。そういう作風の人だったか。 公開2日目の初回、55分前で銀座の劇場は8人待ち。なんだ、すいてる。8人のうち若い女性が5人いて、うち1人はカップルで、オヤジが2人。やっぱり女性向きの映画なのか。40分前に15〜16人くらいになったところで、早くも開場。嬉しい。中でゆっくりできる。 初回のみ全席自由で、本来全て指定席の2Fも自由。さっそく2Fへ。上映までに場内でかかっていた曲は、本作のサントラだろうか。なかなかシックで良い曲がいっぱい。 最終的に2Fは3割程度の混み具合。下も少なそうだった。なんでだろ。まあ、絶対見なきゃっていう映画でないことは確かだけど。 |