日本語字幕翻訳:写植下、戸田奈津子/シネスコ・サイズ(マスク、パナフレックス)/ドルビーデジタル・dts
〈米R指定〉
弁護士のギャビン(ベン・アフレック)は、係争中の裁判の資料を届けるためハイウェイを飛ばしていたが渋滞のため遅れそうだった。そこで無理な車線変更をして前に出ようとしたとき、隣の車と接触してしまう。その車に乗っていたのは、親権問題のためやはり裁判所に向かう途中だった保険販売員のドイル(サミュエル・L・ジャクソン)。ギャビンハはあせるあまり、示談にしようというドイルの申し出を無視し、白紙の小切手をおしつけてその場を去ってしまう。 |
ラストの1分を感動的なものにするために、1時間37分かけて不快なものを描いたと。これって商業映画として果たしてやってもいいことなんだろうか。確かに感動というのは、障害が大きければ大きいだけ、それが解消されたときに大きなものになるんだろうが、ここまでやられてしまうとラストの感動くらいでは取り返しが付かないと思うんだけど。 しかも、主張するのは、ラスト1分を除いて「性悪説」なのだ。登場人物の全員がみなどこかしら悪いヤツ。悪人だけのビカレスクものといってもいい。ハッキリ言ってうんざりだ。始まって12分くらいで映画の全体が見えてきてしまう。 エリート意識があって、あまり自分で考えようとしない主人公にベン・アフレックはいかにもビッタリだし、ちょっとしたことで腹を立てトラブルに巻き込まれてしまうサミュエル・L・ジャクソンもスターってこうなんだろうなあと思わせる。2人とも演技がうまくてそう思わせているのか、地が出てしまっているのか……。 あとは特にコメントすることもない。悪くはないが、ちっとも良くない。そんな映画と言っていいのではないだろうか。 公開2日目の初回、銀座の新しい劇場は45分前に付いたらちょうど開場するところ。15〜16人の行列ができていた。わずか数人が20代で、あとは中高年。男女比はほぼ半々。 場内は17席×4列に、ぴあ席2も全部自由。ただ場内アナウンスがそれをギリギリまで言わなかったので、さけて座っている人が多かった。もったいない。 最終的には654席の4割ほどがどうにか埋まった。 アメリカでの評価はIMDbで7.0だから悪くない。というかいい方。ボクの趣味に合わなかったということでしょう。 |