日本語字幕翻訳:手書き下、古田由紀子/ビスタ・サイズ/ドルビーデジタル・dts・SDDS
〈米G指定〉
第二次世界大戦中のイギリスはロンドン。かつてピーター・パンと大冒険をしたウェンディは結婚してジェーンという女の子とダニーとお男の子のお母さんになっていた。お母さんのウェンディは、毎晩、寝る前にピーター・パンの大冒険の話をして聞かせていたが、お姉ちゃんはもうそういう話を信じない年齢になりつつあった。そんな時、お父さんが兵士として出征することが決まり、子供たちも激しい空襲を避けて疎開することが決まった。そしてその晩……。
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1953年のオリジナルというか、1作目とほとんど同じ雰囲気にびっくり。絵のタッチがまったく変わっていないのが、ファンには嬉しい。ただ、1時間12分はあまりにも短く、あっという間に終わってしまう。冒険もたった1つだけで、何の展開もなければひねりもなし。それが辛い。話としてはよくできていて、子供はもちろん大人でも楽しめないことはない。子供の心さえ失っていなければ。 ピーター・パンは相変わらず子供のままで元気がいいし、ティンカー・ベルはやきもち焼きで、七人の小人のような愉快なロスト・ボーイズたちもいる。フック船長は憎たらしく、ドジでお人好しの海賊スミーは、相変わらずドジでお人好しだ。決して観客を裏切らない。ミュージカルのように歌も踏んだに盛り込まれ、信頼と信念があれば何でもできる。そして信頼と信念と妖精の粉があれば空も飛べるという主張が、単純に感動させてくれる。 そして、宮崎駿監督とそっくりの空と飛ぶ感覚。カット割りなどがそっくりの気がする。スピード感、アングル……。宮崎駿監督の原点がディズニーなのか、「ピーター・パン2」のスタッフが参考にしたのか。 監督は共同監督で、1人はメグ・ライアンとデンゼル・ワシントンが共演した「戦火の勇気(Courage Under Fire・1996・米)」で監督のエドワード・ズウィックのアシスタントをやった人で、その後はTVの仕事が多かったようだ。 もう一人の監督はドノバン・クックという人で、これまたTVのアニメを手掛けてきた人。2人とも劇場作品は初めてということになるらしい。 公開初日の3回目、字幕版の初回、20分ほど前についたら新宿の劇場のロビーにはすでに40人くらいが待っていた。それも90%くらいが女性で、しかもその95%くらいはハイティーンから20代前半の若い女性のみ、これは恥ずかしかった。オヤジは浮きまくり。間違って女子トイレに入ったような気まずさ。 15分前に入れ替えとなって場内へ入るが、あいかわらずこの劇場は客の誘導がヘタ。入れ替え時間を短縮するためか、せっかく先頭から入場させながら途中で中間のドアを開けてしまうものだから、あとから来たヤツが先に入場し、その流れと先頭の流れがぶつかって場内は一時大混乱。まったく……。そのうえ、スクリーン中央が丸くピンボケ。最悪だ。どんどん観客を失ってしまうぞ、こんなことでは。 最終的には406席に7.5割ほどの入り。男女比は2対8ほどで圧倒的に女性、それも若い女の子が多かった。初日プレゼントは、A4サイズくらいの小さな3カ月カレンダー。絵は来春上映予定の「リロ&スティッチ」。 |