2003年1月18日(土)「オールド・ルーキー」

THE ROOKIE・2002・米・2時08分

日本語字幕:手書き下、林 完治/シネスコ・サイズ(マスク、Panavision)/ドルビーデジタル・dts・SDDS

〈米指定なし〉
http://www.disney.co.jp/movies/rookie/index.html
(全国劇場案内もあり)

軍人の父のおかげで、州から州へと引っ越しばかりしていたジム(デニス・クエイド)は、好きな野球になかなか打ち込むことが出来なかった。やがて引っ越しの最後に一家は西テキサスの、油田以外は何もないような町、ビッグ・レイクにやってくる。大人になったジムは、高校で科学の教師と野球部の監督をやっていた。しかしチームはシーズン1勝が精一杯のダメチームだった。

74点

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   とにかく優しさにあふれた映画。監督の視線が優しい。カメラも優しい。脚本も、登場人物も優しい。厳しいのは、「父」だけという設定。しかも実話だというから驚く。1999年35歳でメジャーに新人デビューした実在の大リーガー、ジム・モリスの半生を描いた全米ベスト・セラー小説を映画化したもの。

 自分の教え子に「夢」を持てと教えていて、逆に先生こそ「夢」を捨ててしまったのではないかと指摘される。そして教え子たちと約束をする。万年最下位のチームがもし地区優勝したら、先生も大リーグ入団テストを受けると。この前半の山場が特に感動的だ。最後の決勝戦は、定番すぎる定番場面だが、涙がにじむほど。2時間8分はとても短く、1時間45分ほどにしか感じない。ただ、前半の山場が盛り上がるので、後半の大リーグに行ってからが今ひとつ物足りない。

 才能と実力のある選手なのに、2Aからスタートして、AAAに上がって、ようやくメジャーへ行っても今度は出番がない。それだけ現実は厳しいのだ。すごい人間はたくさんいる。そういう選手が集まっているところなのだ、大リーグは。だからこそ誰もがあこがれる。しかし、それをちゃんと追ってしまうと、とても時間がかかりその間にテンションも下がってしまう。また興味が主人公の活躍という部分ではなく、大リーグがどういうところかや、主人公がどうやってそこで芽を出すかに移ってしまう。焦点が変わってしまうのだ。

 それでも感動の話には間違いない。ちょっとデブラ・ウィンガー(「愛と青春の旅だち(A Officer and a Gentleman・1982・米)」など。最近あまり見かけなくなった)似の妻を演じるレイチェル・グリフィスは、家族がバラバラになるからと最初大リーグに行くことを反対するが、息子が父が大リーグで活躍することを夢見ていることを知り、賛成する。この辺がまた、たまらんのよねえ。そして、高校野球部の教え子たち。町の人々。みんなが主人公の応援をする。泣かせるなあ。2時間8分があっという間。ちょっと涙が……。

 初日初回、新宿の劇場は40分前で高一くらいのカップルが1組だけ。30分前に開場した時点で、どうにか7〜8人くらい。

 関西系はとにかく並び方がひどい。隙間さえあれば詰めてくる。スキー場のリフト待ちでそれは顕著だ。そのスキー場での話だが、彼らに言わせると、名古屋系はもっと酷いのだそうだ。うーん……。

 若いカップルが多かったが、しだいにオヤジが増えてきて、20分くらい前から人が増えだした。中にはジーサンも数人。最終的には、7〜7.5割の座席が埋まった。老若比は6対4でオヤジ。


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