日本語字幕:手書き下、松浦美奈/シネスコ・サイズ(レンズ、Panavision)/ドルビーデジタル・dts・SDDS
(米PG-13指定)
ウェイトレスのスリム(ジェニファー・ロペス)は、悪質な軟派からすくってくれた好青年ミッチと結婚し、一児の娘をもうける。何もかもがうまくいっているように思えた。夫のポケベルに愛人からの連絡が入っていることに妻が気づくまでは。
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予想していたストーリーは、ドメスティック・バイオレンスな夫と結婚した主人公が、夫から逃げながら信頼できる男と巡り会い、その男の助けで夫と戦い、真の愛を手に入れる……。いわばジュリア・ロバーツの「愛がこわれるとき(Sleeping with Enemy・1990・米)」と同じストーリー。 ところが、この予想はみごとに裏切られた。嬉しい誤算。IMDbで5.0とひくい評価だが、ボクは楽しめたし、面白かった。男を見る目がなく、問題解決をするチャンスがありながら、それをまんまと逃し、逃走するにも手がかりを残しまくるという不注意さは、ちょっと許し難いほど。もっと気をつけろと。それは確かだ。 でも、もう逃れる手だてはないとなったところで、決然と立ち上がる。これがいい。いままでのヒロインと違って男の力を頼ったりしない。自分の問題は自分で解決するのだ。21世紀の女は違うんだぞ、と。まあ「エイリアン(Alien・1979・英)」のリプリーという話もあるが。 確かに、後半は人が変わってしまう。かわいくて、強く出ることのできない、ある意味ヌケている女が、急にしっかりして、男と戦う。これが受け入れられるかどうか。 ボクは後半を買う。前半は確かに不満は大きい。前半が許せない人は、後半部分でも挽回できないかもしれず、そういう人は評価が低くなるだろう。ボクは許せたので、結構いい数字になった。 危険な男は自宅に2挺の銃を隠し持っている。1挺はSIGザウエルのP230か新型のP232。非合法品のサイレンサーまで持っている。おそらく、これはサブのバック・アップ用。メインの銃は、これまたシルバーに輝くワルサーP99。ニュー・ボンドが選んだ銃だ。 これだけの銃を持っていながら、幼い娘に銃を持っているところを見られたくない、銃を見せたくないという理性は働く、というのが日本人的には理解しにくいかもしれない。妻に銃を突きつけるような男でも、家庭では幼い子供には自由を見せないと言うのがアメリカの一般的な家庭なのだ。たいていはロッカーに入れたりして、子供の目に触れないところに保管されているもの。これがちゃんと描かれている。最低限のルールは守る男ではあるわけだ。 公開初日の初回、銀座の劇場は当日券との引き替えが必要なくなり、以前のシステムに戻っていた。よかった。35分前に着いたら、15人くらいの行列。ほとんどは50代くらいのオヤジで、ほかに若いカップルが2組、若い女性が2人。 30分前に開場し、この時点で若い女性が増えて、22〜23人。入場すると、従来の指定席とは違うプレミアム・シートというのが導入されていた。これは中央のゆったりしたスペースにちょっと大きめのカップ・ホルダー付きシートが6席×4列配置したもの。椅子自体は大きいと言っても、この劇場ではということで、丸の内東映やシャンゼリゼで普通に使われているシートと同じもの。ただ1つのシートに左右にカップ・ホルダーがあって隣の席との間が広い。なおかつ前後の座席の幅がほぼ1.5倍と飛行機のビジネス・クラス並み(乗ったことはないけど。すくなくとも新幹線のグリーンよりも広い)。 これなら2,500円、納得して払えるのではないだろうか。おそらく前席の人の頭はほとんど気にならないはずだし、音響効果は抜群の位置だ。ただ、ここに座るのは目立つので、かなり勇気がいるかもしれない。初回は社長ふうの男性が1人だけ座っていた。 最終的に710席に4割の入り。男女比は4対6で女性の方が多く、老若比は5.5でほぼ半々。ジェニロペはやはり女性に人気があるということか。とすると意外にオヤジが多いということになるのかも。 |