ビスタ・サイズ/dts
社会福祉センターの女子大生アルバイト里佳(奥菜恵)は、上司に頼まれて徳永家を訪れる。その家に不吉なものを感じた里佳だったが、入ってみると部屋の中は散乱し、老婆がひとりで寝ていた。部屋を片づけ2階へ上がると、ガム・テープで目張りされた押入の中から物音が……。そこを開けると……。
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スバリ腹が立った。これは劇場で見て良かったのか、それともビデオで十分なのか、かなり迷う。怖いことは怖い。ただ、それは単に怖がらせるためのお化け屋敷的怖さで、理屈も何もない。それは映画としてどうなんだろう。訳のわからない恐怖というのもあるが、これはむしろ説明を放棄したという感じ。そこに腹が立つ。 だからストーリーもないに等しいようなもので、根っこを同じにする恐怖を何人かのエピソードとして散文的にまとめられている。ほとんど何の謎も解かれない。どんでん返しは、一言で言えば「アザーズ(The Others・2001・仏西米)」だ。もちろんあのじわーとくる恐ろしさとは 無縁で、練られた脚本があるわけでもない。 真ん中あたりのエピソードのテレビ・ニュースとして1つの謎の答えだけは語られている。これがラストではっきりと語られるだけ。うーん。結果は予想が付かなかったが(まさか謎も解かれず、何も解決しないとは!!)、どんでん返しだけは読めた。 奥菜恵はかわいいし、けなげだし、TVCMでおなじみの美女、伊藤美咲が信じられないほど美しいし、その彼女たちが怖がるさまはマゾヒスティック(サディスティック?)な快感がある。しかし、その快感は観客よりもむしろ監督が大きかったのではないか。 霊としての少年・俊雄クンはクリアすぎて現実感があり、どうなんだろうと思う。不確かなものだから怖いということがあるはずだ。そういう描き方はないのか。 公開2週目の初回のはずが、急遽、早朝の回が追加されて2回目ということに。55分前で、2〜3人。30分前になってフロアに人があふれ出した頃ようやく列を作ることに。遅い。 ほとんどは20代前半の男女で、最終的には指定席なしの218席すべて満席の上、立っている人が7〜8人。なんなんだ、この混みは。そんないい映画か? わからん。オヤジは2割程度。4対6で、やっぱり女性の方が多かった。 |