日本語字幕:写植下、戸田奈津子/シネスコ・サイズ(レンズ、Panavision)/ドルビーデジタル・dts・SDDS
1980年アメリカ、ボルチモアでレクター博士(アンソニー・ホプキンス)が逮捕された。逮捕したのはFBI特別捜査官のグレアム(エドワード・ノートン)。有能な捜査官として知られ、レクター博士と協力して捜査に当たっていたのだった。しかし、この逮捕劇でグレアムはレクター博士によって重傷を負わされ、引退を決意する。 そして1991年、アトランタで一家惨殺という猟奇的殺人事件が2件続けて発生した。何の手がかりもつかめないFBIのクロフォード(ハーヴェイ・カイテル)は、かつての優秀な部下であるグレアムにオマエのイマジネーションを貸してくれと、捜査への協力を依頼する。 |
さすがに猟奇殺人事件は怖い。前前作である傑作「羊たちの沈黙(The Silence of the Lambs・1991・米)」と似た恐怖。ただし、ちょっと及ばなかった気はする。でも前作「ハンニバル(Hannibal・2001・英米)」よりはよくできていると思う。 やはりこのシリーズでおもしろいのは、犯人を追いつめていくところだろう。「2」ではそれを離れてしまった。「3」でそれを軌道修正して元に戻したということか。 印象としては、「羊たち……」の主人公をそのまま男に変えて、エドワード・ノートンが演じたと。こういったアクション系の映画では、エドワード・ノートンでは優男すぎて頼りない感じだが、役柄はスマートなキレる男なのでイメージはぴったりなのだ。しかもラストに犯人と戦うときに、「羊たち……」でジョディ・フォスターが女性でしかもまだ卒業していないアカデミー生という頼りなさがサスペンスを盛り上げたように、ここでも頼りなさが効いてくるのだ。 監督はあの「ラッシュ・アワー1&2(Rush Hour・1998/2001・米)」のブレット・ラトナー。コメディー・タッチが特徴だと思っていたのだが、本作ではまったくといっていいほどギャグなしで、真っ正面から金字塔を打ち立てた名作の続編作りに挑んでいる。そこがまた潔くて好感が持てる。何か策を弄していないところが良いのだ。ただ、逆に考えると、ヒット作をちょっと変えてそのままなぞったと言えないこともないのだが。 劇中、謎を解く鍵として赤い「中」という文字が出てくる。そして中国ではこの文字はドラゴンを表すのだと。赤い字で書かれているから、レッド・ドラゴンだとなるわけ。そういえば。これを胸に付いたヒーローもアメリカにはいたんだっけ。ウィリアム・カットが主演したTVドラマ「アメリカン・ヒーロー」。だけど、漢和辞典で調べても「中」に龍の意味はないんだけど……。なんだろう。風水でも「中」は出てこないし。 犯人の背中には、実に見事な刺青が彫られている。あまりに見事なので調べてみると、担当したデザイナーは映画の仕事はこれが初めてというトム・バーグ。実際にメイクを施したのは「エリン・ブロコビッチ」でもタトゥー・メイクを担当したケン・ディアズ。 その犯人を演じているのが、「シンドラーのリスト(Shindler's List・1993・米)」ではドイツ軍将校を演じ、「イングリッシュ・ペイシェント(The English Paitient・1996・米)」では記憶を失った英国人の患者と名付けられた男を演じたレイフ・ファインズ。無表情な感じがなかなか怖くて良い。 公開初日の初回、銀座の劇場は60分ほど前に着いたらすでに開場していた。場内には30人くらいの人が。初回のみ全席自由。いつもと違って前寄りの17席×2列が指定なので、指定席を中心に座る傾向があるため、いつもよりみな前寄りに座っている。 そして、早く開いたので、みなさんアイスやらカプチーノやらいろいろ買っている。ここは他の劇場よりそういう面でもクォリティが高いしなあ。 40分前くらいから人が増えだして、母娘という2人連れが結構目立つ。20分前くらいからは若い女性、オバサンも増えだした。最終的には654席に7割半ほどの入り。男女比は4対6で女性が多め。老若比も4対6で若い人がちょっと多かった。つまりは若い女性が多かったということ。 |