日本語字幕:手書き下、戸田奈津子、監修:田中明子/シネスコ・サイズ(ARRI)/ドルビーデジタル・dts・SDDS(DTS-ESとドルビーEX6.1もあるらしい)
指輪を捨てる旅で3手に分かれた仲間たちは、それぞれ危機を迎えていた。ホビットのフロド(イライジャ・エウッド)とサム(ショーン・アスティン)は、もとの指輪の持ち主ゴラム(アンディ・サーキス)と遭遇しモルドールのブラックゲートまで案内させることになる。
レンジャーのアラルゴン(ヴィゴ・モーテンセン)とエルフのレゴラス(オーランド・ブルーム)とドワーフのギリム(ジョン・リス=デイヴィス)は、途中死んだはずの魔法使いのガンダルフ(イアン・マッケラン)と再会し、ローハンを守れと言われ、エドラスへ向かう。
一方ホビット族のピピン(ビリー・ボイド)とメリー(ドミニク・モナハン)は森の中で木の番人エント族と出会い、戦いに参加するよう要請する。
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こんなに評価が高く、大ヒットしている映画にこんなことを書くとひんしゅくものだろうけれど、長い。正直、リブ・タイラーが出てくるあたりから集中できなくなって、日頃の寝不足がたたって数回小さく寝た。一言で言えば、「つなぎ」。「スター・ウォーズ」で言えば「帝国の逆襲(The Empire Strikes Back・1980・米)」。 ストーリーも一言で言うことができるかもしれない。「そして指輪を捨てる旅は続く」と。つまり、「1」はなぜ指輪を捨てる旅に出ることになったか、という話であって、序章ではあっても興味深いことが語られる。最後に公開される完結編の「3」はこうして指輪は捨てられたという物語になるはずで、それそそれで興味深い内容になることは間違いない。とすれば、「2」はその2つのつなぎにならざるを得ないではないか。実はこれが一番大変なパート。古典的なドラマツルギーで言えば、起承転結の「承」に当たるわけで話をうまく展開させなければならない。しかし。それはあくまで展開であって、「転」ではないので地道なものにならざるを得ない。読み切り連載の2回目とは違う。ボクは乗れなかった。 ただし、そうではあってもそこはピーター・ジャクソン監督、ラストの「ヘルム峡谷の戦い」はスゴイ。壮観で圧倒される。300人対10,000人の白兵戦は、残酷で、暴力に満ちあふれていて、悲惨で、血生臭く、阿鼻叫喚の生き地獄。もちろんR指定ではないから、大人向けのリアルな戦闘シーンとは違うけれど。 ボクにはピーター・ジャクソン監督というと、これまでの最高傑作は「さまよう魂たち(The Frighteners・ニュージーランド/米・1996)」(IMDbでも全作品中、もっとも評価が低い)だったりするので、「ロード……」にはちょっと違和感があった。まともすぎるかなと。長編デビュー作「バッド・テイスト(Bad Taste・ニュージーランド・1987)」から始まって、内臓飛び出る血の海スプラッター「ブレインデッド(Braindead・ニュージーランド・1992)」、少女たちの純粋な気持ちがエスカレートする恐怖「乙女の祈り(Heavenly Creatures・ニュージーランド/米・1996)」そしてロバート・ゼメキスがその実力を認めてプロデュースした「さまよう……」と続いてきた。それが、B級テイストからいきなり「ロード……」で超A級になって、優等生になられてもなあと。 「2」にあたる本作では、メインの「ヘルム峡谷の戦い」に入る前に、死者が眠る沼地で霊に持って行かれそうになったり、何カ所かピーター・ジャクソンらしいところが出ていたので、安心したというか、何というか。 ニュージーランドの自然を撮影したという、風景は、厳選しただけあって素晴らしい。ファンタジーの中にしかないような風景が、実際の映像で目の前に広がるのは驚きである。多少はデジタルで修正してあるのかもしれないが、圧倒的迫力で迫ってくる大自然のパノラマは気持ちいい。 公開初日の初回、自分で立てた予定の時間が間違えていて、60分前着のつもりが95分前に着いてしまった。ところが、何と新宿の大劇場にはすでに30人くらいが並んでいた。おいおい、さすが話題作なんだなあ。近くの劇場で300人クラスの小劇場では15分早く開場するとあって、40〜50人ほどの行列。 ほとんどは中学、高校から大学生。オヤジもせいぜい50歳止まりというところ。しかも全体の1割程度。若い人たちの映画なんだ、これは。1人か2人、小学生もいた。男女比はほぼ半々。 15分早く上映する近くの劇場は60分前に開場。寒い日だったが、大劇場の方は40分前になってやっと入れてくれた。さむ。開場と同時に1,288席の3.5割が埋まった。指定席は10席×6列×2(左右)と、ぴあ席10席×2列で、初回のみ全席自由。 最終的に1,288席の7割弱が埋まった。満席にならなかったのは、たくさんの劇場で公開されているため、分散されたからだろう。 プログラムは1部700円。どうやらこれが標準価格になってしまったらしい。手が出ない。これぞという映画で、資料性のあるもの意外はパス。見ておもしろかった映画のプロ具村を毎回買っていたら、お金もなくなるけど、部屋の中が埋まってしまうもんなあ。 |