日本語字幕:手書き下、風間綾平/シネスコ・サイズ(マスク)/ドルビーデジタル・dts
精神症に悩んでいた父(イアン・グレン)のリハビリのため、母メアリー(レナ・オリン)は看護婦、上の娘レジーナ(アンナ・パキン)、幼い弟ポール(ステファン・エンキスト)のアメリカの一家が、スペイン生まれの祖父アルベルト(ジャンカルロ・ジャンニーニ)の手配で、スペイン郊外のある家に引っ越してきた。そして、その日から家には奇妙な現象が頻発する。
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うーん、思わせぶりな映画。事件のキーとなるアンナ・パキン以外見るところがあるだろうか。もし今盛りの魅力がほとばしり出ているようなアンナ・パキンが出ていなければ、わざわざ劇場で見る価値もないだろう。自分で作り出したものと正面から対決せず、落とし前も付けない映画は、見る価値さえないと思う。スペイン・ホラーが流行ったから、という安直なもの意外、見つけられなかった。ホントは65点くらいにしたいところ、素敵なアンナ・パキンに免じて(入浴シーンもあるし、必要のない水泳シーンがしつこいくらいある)70点とした。彼女は見る価値がある。 ホラーものの判断基準の一つは、突然の大きな音で脅かす手を使っているかどうか。どうしても、映画のできが悪いと怖くなくなるので、音で観客を脅かそうとしてしまうのだ。いいできのスリラーやホラーに、そんな安直で本質的にスリラーやホラーとなんの関係もない「音ビックリ」で脅かす必要などないのだ。 できあがったところで、怖さが足りないと感じた監督かプロデューサーが、もっと怖さを足さないとダメだとか言って付け足したような、そんな印象。本作も、怖いところはほとんど思わせぶりなシーンばかりで、ほんとストレスがたまる。ワッというところは突然大きな音がするところくらいしかない。 謎解きも一緒で、前に書いたように正面から対決せず、落とし前も付けていないので、非常にいい加減。実際は何だったんだよっていう感じ。唯一買えるのは、40年ごとに日食があって、そのときに何かしようとしたということだけ。40年前に6/7までやったから、40年後には残り1/7をやれば願いが成就するなんんて、都合の良すぎる話はまったく信じられない。 ラストも、わざと観客の予想を外して余韻を強くしようとしたんだろうが、その前後をじっくり描いているならともかく、ろくに描きもしないでこういう結末に持っていっては逃げているとしか見られない。結局、風呂敷を広げすぎて収拾が付けられなくなったのだろう。 予告は思わせぶりで良かったのに……。本編も思わせぶりとはなあ。いいなあ、と思ったのはタイトル部分のキャストの出し方と消し方。これはうまい。いかにも霊っぽくて、思わせぶりで。 設備が良くて広い銀座の東劇に行こうと思ったら、前売りに松竹系と東急系があるらしく、手元の券では見ることができなかった。そこで新宿の劇場へ行くことに。公開初日の初回、TVCMをやっていないので空いているだろうと、高をくくって40分前に劇場に着いたら、なんと誰もいない。あれ、これほどたとは思わなかった。結局人が来始めたのは、上の入口があいて30分前をすぎて、25分前になってから。高校生くらいの女の子が3人にオヤジが1人。本格的に人が来だしたのは20分前をすぎてから。 最終的に763席に30人ほどという寂しさ。オヤジは1/3ほどで、多くは20代。男女比は6対4で男性の方がやや多かった。初回のみ全席自由で、11席×3列と11席1列のぴあ席もすべて自由。そこを中心に埋まっていった。 |