2003年3月9日(日)「インプラント」

THEY・2002・米・1時29分

日本語字幕:手書き下、 アンゼたかし/シネスコ・サイズ(マスク、with Panavision)/ドルビーデジタル・dts・8ch SDDS


〈米PG-13指定〉

http://www.implant-mov.jp/top.html
(突然の叫びに注意、全国の劇場案内〈タイムテーブルなし〉もあり)

女子大学院生のジュリア(ローラ・レーガン)は、幼なじみのビリー(ジョン・エイブラハムス)から久しぶりの電話をもらい会うことにするが、「やつらがもどってきた」など訳のわからない言葉を残し目の前で拳銃自殺してしまう。そしてその日から、かつて19年前に体験した訳のわからない暗闇に対する恐怖が再燃する。

59点

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 いまどき、思わせぶりだけのこういう映画って、いったい何なんだろう。まったく見るべきところもなければ、目新しいところもなく、何を描きたかったのかもわからない。ていうか、描きたいことなんかあったのだろうか。よほど予算がなくて、もともとの脚本にあった見所がどんどん削られ、「彼ら」も描くことができなくなってしまったのかと、邪推もしたくなる。スクリーンで見る価値があるんだろうか。

 ちょっといいかも、と思わせたのはアバン・タイトル部分。正攻法で怖がらせてくれる。しかし、いかんせんこれはスピルバーグ監督(うまく仕切れなかったトビー・フーパー監督から指揮権を奪ってしまったらしい。ホント?)の「ポルターガイスト(Poltergeist・1982・米)」とまったく同じ。ってことは、ちゃんと正攻法でじわじわ描けば怖いということだ。

 その後は、結局、音で脅かすビックリ系となり、ストーリー上の怖さとは何の関係もなくなってしまう。これじゃ遊園地のお化け屋敷だって。しかも、低レベルの。おっと思わせるところは、TV・CMで流れていた頭から埋め込まれていた物を取り出す場面(しかもただのヒモ状のもの)だけ。この映画の場合、TV・CMで流れていた以上の映像は期待してはいけない。

 モンスター(クリーチャー)のデザインも、せっかくパトリック「ゴジラ」タトポロスに依頼していながら、チラッと一部だけがしかもシルエットで見えるだけで、まったく意味がない。ラストにはきっと顔とか手くらいは出るのだろうと期待していると、完璧に裏切られる。あれだったら、モンスター・スーツもなしで、エキストラかスタッフが普段着でそのまま演じてもOKだろう。なぜ高ギャラを取られるであろうタトポロスに頼んだんだろう。わからん。

 確かに、見せすぎは良くない。「エイリアン」だって「ピッチ・ブラック」だって、最初は影くらいしか見せない。でも最後には全身を見せてアッと言わせてくれたもんなあ。それでも一瞬だったけど。あれを狙ったんだろうか。うーん。

 当然だと思うが、IMDbでも3.8というのはめったにない低い評価。監督はロバート・ハーモンという人で、ルトガー・ハウアーが怖かった「ヒッチャー(Hitcher・1986・米)」で劇場映画デビュー。その後パッとせずTVをやっていたのだが、今回ひさびさに劇場にもどってきて、やっちゃったと。

 それで、なんでウェス「エルム街の悪夢」クレイブン・プレゼンツなんだろう。名前貸しってヤツですかい?

 公開2日目の初回、これは渋谷の劇場ではモーニング・ショーと呼んでいるらしいが、40分前に着いたらオヤジが1人。30分くらい前になってオヤジ3人の中年カップル1組、若いカップル1組の7人に。

 25分前に開場し、若い女の子やファミリーもちょっと来だした。

 指定席は中央よりやや後ろの9席×2列。差額料金700円。しかし最後まで空席のまま。最終的には374席に35人くらいの入り。老若は半々くらいで、女性は10人くらいいただろうか。

 サウンドは8ch SDDSまで作ったらしく、確かに良くまわり、後方から明確に聞こえたりした。でも……。


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