日本語字幕:手書き下、 岡田壮平/シネスコ・サイズ(マスク、with Panavision)/ドルビーデジタル・dts・SDDS
第三次世界大戦後の近未来、二度と戦争などを起こさないために支配者となったファーザー(ショーン・パートウィー)は人々から感情を奪い厳しく監視しする体制を作り上げた。感情をもったものは、クラリック(聖職者)と呼ばれる武道の達人に指揮された警察の特殊部隊によって射殺されるか、逮捕されて処刑された。一番のクラリック、ジョン・プレストン(クリスチャン・ベール)は、完璧な機械のように冷徹に職務を遂行していたが、あるとき友人のクラリック、パートリッジ(ショーン・ビーン)が禁じられている詩集を持っていることを知り射殺するが、それがきっかけとなり感情が噴出する。
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ほとんどガン・アクションだけのオバカ映画のように宣伝されていたので、ちょっと不安を抱きつつダメもとで見に行ったところ、なかなか面白いんじゃないの。トリュフォーの「華氏451(Fahrenheit・1966・英仏)」のように、自由が極端に制限された世界で、当然起こる解放への渇きを、結構正面から真っ向描いてみせる。 感情のない世界を描いて、観客の感情を動かすという、映画人としてはやってみたいテーマだろう。それを理屈っぽくなく、エンターテインメントとしてまとめ上げたところにこの作品の良さがある。 特に、これでもかというしつこい銃撃戦。間違いなく「マトリックス(The Matrix・1999・米)」に影響されたのだと思う。つまりそれは押井守監督の「攻殻機動隊(Ghost in the Shell・1995・日)」の銃撃戦に影響されていることになるが、柱から噴水のように破片が飛び出す。 これに格闘技の“型”を組み合わせ、ガン=カタという架空のマーシャルアーツを生み出した。これはプログラムによれば、監督のカート・ウィマーと殺陣師のジム・ビッカーズの2人で考案したものだという。荒唐無稽といえばそのとおりだが、格好いいんだなこれが。舞うように敵の弾丸をよけ、刺すように銃を撃つ。距離ゼロのポイント・ブランクでしか使えない技だが、とにかく凄い。これを見るためだけでもこの映画を見る価値はある。 そして、この監督はかなりの日本通であるらしく、剣道、日本刀などが各所に登場する。とすればやはり銃撃戦は「攻殻機動隊」か。 銃器も最新の大量のH&K G36に加え、反乱軍は古い銃という設定。定番のMP5、ミニ・ウージー、イングラム、ワルサーMPKかL、スコーピオンなどが登場する。特殊部隊のライフルはスナイパーのワルサーWA2000だったり、たぶんベレッタAR70アサルト・ライフルだったり。 主人公が使うのは、一見デザートイーグルのようだったが、細いなあと思ったらベレッタM92ベースのカスタムだった。フルオートでも撃っていたようだから、M93Rも使っていたかもしれない。 公開2日目、初回。時間を間違えて20分前にやっと到着。ちょうど開場したところ。その時点でおよそ20人ほど。ほとんどが中高年。高校生くらい2人、女性20代後半?3人。最終的には50人ほどに。プログラム1冊600円。 |