日本語字幕:手書き下、 石田泰子/シネスコ・サイズ(マスク、スーパー35、2.35、with Panavision)/ドルビーデジタル・dts・SDDS
〈米PG-13指定〉日本語字幕:手書き下、 今泉恒子/シネスコ・サイズ
〈米PG-13指定〉
幼なじみ4人組が冬山にハンティングのため集まった。4人は子供の頃の不思議な体験の後、それぞれ特殊な能力を身につけていた。そして、そのとき赤いアザのような傷を負った男が助けを求めて山小屋にやってくる。
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スティーブン・キング原作のSFホラー。ボクは原作を読んでいないのだが、おそらくかなり原作に忠実なのではないだろうか。後半クライマックス部分は思いっきり強引。大甘な展開はまるで子供向けのTV30分版特撮ヒーローもののような印象。片やタダで見られるものと、片や当日1,800円払うもの。どうなんだろう。 文字で描かれる世界は読者の想像力にゆだねる部分が大きいが、映像で具体的に描かれるものには妥協がほとんど許されない。逆に言えばそこが実力の見せ所なのかもしれないが。スティーブン・キングの筆力で、説得力を持ってハラハラドキドキに描かれるシーンが、そのまま映像にしても説得力が出るとは限らない。いままでの映画化されたキング作品を見ると、特にその感が強い。キングの小説は映像化するのが難しい(というか、キングの筆でなければ成立しない)のだ。 個人的に成功作と思えるのは「キャリー(Carrie・1976・米)」、「シャイニング(The Shining・1980・米)」、「デッドゾーン(The Dead Zone・1983・米)」、「スタンド・バイ・ミー(Stand by Me・1986・米)」、「ペット・セメタリー(Pet Semetary・1989・米)」、「ミザリー(Misery・1990・米)」、「ショーシャンクの空に(The Shawshank Redemptipn・1994・米)」、「グリーン・マイル(The Green Mile・1999・米)」、TVなら「ランゴリアーズ(The Langoliers・1995・)」というところか。基本的にボクはホラーものが好きなので、評価は甘いかも。 この作品は、スティーブン・キングが交通事故にあった後に書かれたものだそうで、その場面も描かれている。CGとしては「ジョー・ブラックをよろしく(Meet Joe Black・1989・米)」の交通事故シーンと一緒、というかあれ以降よく使われているので取り立てて驚きはしないが、予想していないときにやられるとショッキングではある。 ストーリー的には最近NHKで放送された「スティーブン・キングのイット」(5/5〜5/6深夜25時からNHK総合チャンネルで再放送あり。5/2〜4は「スティーブン・キングの悪魔の嵐」の再放送)に近い。そしてどちらも味付けは「スタンド・バイ・ミー」だ。子供の頃にこんな変なことがあって、でも良い思い出で、大人になって再会して、その時の落とし前をつけると。 セイム・シット・ディファレント・デイ「日は違っても同じクソ」が合い言葉のようになっていて、SSDDと呼んでこれを結構使い回しているが、この言葉が事件に関わってくるわけではない。また同様に「ドリームキャッチャー」もアメリカ先住民(インディアン)のお守りとして出てくるだけで、なぜタイトルにするほどなのか、映画を見終わってもよくわからない。ただ、下ネタでちょっと汚いのが多用されているという点では関連があるか。汚すぎるし下品と紙一重というのもどうなんだろう。 そして意味深に登場するボクの大好きな俳優、モーガン・フリーマンがまったく存在感なし。ヒール(悪役)ということなんだろうが、浮いている。らしくない。こんなモーガン・フリーマン見たくなかった。「トータル・フィアーズ(The Sum of All Fears・2002・米)」以来、久々に良くないのだ。珍しい。 良かったのは、特に良かったのは、どこまでも続くような冬の深い森の絵。時には俯瞰で、神の視線で、その森をとらえる。うーん、それだけで圧倒される。そして、タイトル・シークエンス。ワーナー・ブラザーズのロゴからして雪が積もってつららが下がっている懲りようで、モーフしていく文字が素晴らしい。うまいなあと思っていたら、これはイマジナリー・フォースのカイル・クーバーの仕事だった。センスが良い。 公開初日の初回、新宿の大劇場に50分前に付いたらボク1人。あれれ。35分前でどうにか10人くらいになり、30分前に15人、開場した25分前に20人と急激に増えていった。ほとんどはオヤジで、若くても30代以上という感じ。ホラー系は女の子が多いのが普通なのに、スティーブン・キング原作のせいか。 初回のみ全席自由で、10席×4列×左右の指定席と、10席×左右のぴあ席も座ってOK。指定席に座ってみたが、スクリーンの見えやすさは他の席とほとんど変わらない。ただセンターなので音響効果は確かに高かった。 その後、若いカップル、母娘、女の子の2人連れ、若い男性などが増え、最終的に男女比は3対1くらいに。老若比は逆転して1対3ほどに。やっぱホラーは若者が来ないと。下は高校くらいから。朝早かったせいか、3割ほどの入りだった。 アニマトリックス「ファイナル・フライト・オブ・オシリス」はとても面白かった。どうやら実写版につながるように作られているらしいが、よく理解できなかった。しかし、わからなくても面白い。映像に力がある。難を言えば、3D-CGの感じが「ファイナル・ファンタジー」を連想させるもので、なんだかなあと。たぶんあの技術、あるいは関係したスタッフが使われているのではないだろうか。それにしてもチャンバラとはねえ。脱いじゃうし。必見。 「マトリックス」の新しいバージョンの予告編がこれまた素晴らしい。絶対どんなことをしても見たいという気にさせる。超カッコいい。超を使う若者の気持ちがわかった気がした。 |