2003年5月3日(土)「X-MEN 2」

X2・2003・米・2時05分

日本語字幕:手書き書体下、戸田奈津子/シネスコ・サイズ(マスク、With Panavision)/ドルビー・dts


〈米PG-13指定〉

http://www.foxjapan.com/movies/x-men2/
(全国劇場案内、タイムテーブルもあり、ただし映画の詳しい情報は無し)
http://www.x2-movie.com/#
(映画の情報はこちらに)


ミュータントによるアメリカ合衆国大統領襲撃事件が発生、世論は一斉にミュータントを登録させ隔離する方向へと傾く。これを利用し、ミュータントに敵意を持つ特殊部隊の隊長ストライカー大佐(ブライアン・コックス)はミュータントの抹殺を進めるため、大統領から強制捜査の許可を得る。

84点

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 うわー、面白い。奇想天外というか、とんでもない話なのに、この重厚さ、説得力、スピード感、感動は何? これこそ映画と呼ぶにふさわしいのかも。あり得ない夢のような話を、さもあることのように描き出して見せるという、素晴らしい技。

 とにかくバランスが良くとれている。前作の成功があるために、本作はもうオール・スター状態。それぞれのキャラがそれぞれ大活躍してくれる。しかも今回は憎たらしい悪役が登場して思いっきりの冷血漢ぶりを発揮してくれるので、よりミュータント側に感情移入しやすくなっている。そして、そのストライカー大佐がいるために、前作ではおたがいに敵という立場だったミュータントが、力を合わせて強敵と戦うという構図になっているところがまた面白い。

 あのお色気満点のミスティークと、ウルヴァリンが、マグニートとエグゼビアが協力するというわくわく感。しかも前作ではまだ自分の能力に完全に目覚めていなかった(コントロールしきれなかった)ジーンが能力全開になるし、生徒だったパイロやアイスマンが活躍する場面も出てくるという具合。こりゃ、たまりません。

 しかも徐々に明かされていくウルヴァリン誕生秘話。でもまだ謎は残っていて、パイロはマグニートに……これは間違いなく「3」があるな、ウン。

 特に良いのは、超能力者たちもすべてにおいて超人であるわけではなく、意外と弱い側面を持っていること。圧倒的な火力と組織力で攻撃してくる特殊部隊に対しては、やはり逃げざるを得ない。これがドラマを面白くしている。

 そして前作同様、ミュータントたちの悲しみがちゃんと描かれている。ミュータントというとSFチックで、コミックチックだが、これを超能力者と言えばどこかにはいるような気がして、とたんに身近な話になる。念写とか、スプーン曲げとか。小説の「リング」では、その差別の話がよく描かれている。やっぱり気味悪がられて、仲間はずれにされて疎外されるだろうと。

 映画の中でも何度も言われているように、これは共存か戦争かの話であり、今回は戦争の始まりなのだ。「SW2」のマスター・ヨーダのClone war has begunのセリフより、エグゼビアやマグニートのWar has begunはさすがに重いし、憎たらしい敵の出現で、ワクワクさせてくれる。ガマンしてばかりから、ついに戦うかと。

 ブライアン・シンガー監督が一目で気に入って映画に登場させることになったというマツダのロータリー・エンジン搭載スポーティー・カー、RX-8がX2カーとして登場。センター・ピラーのない観音開きのドアを開け閉めするところまで見せてくれて、これってすごいプロモーションになっていると思う。全世界同時公開だし、たぶん各国で大ヒットして、それと同時にRX-8は世界中で有名になることだろう。すばらしい。やったねマツダ。あとは「プロジェクトX」に出るだけか。

 ほぼ全世界同日の公開初日の初回、新宿の大劇場には70分前に前売りの列に7人、当日の列に15〜16人が並んでいた。なかなかいい出足。60分前には前売り15人、当日20人となり、50分前に列は劇場の角を曲がり見えなくなっていた。

 35分前に開場した。全席自由で12席×5列の指定席も座ってOK。この時点で1,044席の2割ほどが埋まった。男女比は6対4で男性の方がやや多く、中心は20代。若い人が多い。下は小学生(1割)から上は中高年(2割)まで。でも7割は20代前後。うん、これは良い傾向だ。

 20分前で7割の入り。これは素晴らしい。最近あまりないことだ。やや中高年が増えてきた。30代も増えている。最終的には朝一にもかかわらずほぼ8割の入り。素晴らしい。

 初日プレゼントがあって、ハル・ベリーのファウンデーションの試供品をもらったんだけど、男にこんなの配ってどうしろというんだろう。


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