日本語字幕:手書き書体下、松浦美奈/シネスコ・サイズ(レンズ、in Panavision)/ドルビーデジタル・dts・SDDS
2002年のある日、クイン少年は母が働くロンドの地下鉄工事現場へと入っていった。ちょうどそのとき、工事現場では空洞に突き当たっていた。クイン少年がその空洞に入ってみると、そこには巨大な生物がおり、いましも目覚めようとしていた。やがてそれは動きだし、口から炎を吐いて坑内をすべて焼き尽くしすと、工事現場から外へ飛び立っていった。2020年、地球のほとんどは焦土と化し、屋外はドラゴンが支配していた。一方わずかに残った人類は地下などに隠れひっそりと暮らしていた。 |
ちょっぴり、とんでも映画のB級かと思って見に行ったら、なかなか骨太なSFアクションで驚いた。これはボク的にはOK。おもしろい。CGと思われるドラゴンの合成が素晴らしく、まると本当に飛び回っているようだ。違和感ほとんど無し。ひさびさにプログラムが欲しくなって600円出して買ったほど。いい。 よくを言えば、軍隊崩れの連中とドラゴンの戦いをもっと見たかった。チーフテン戦車の大砲でドラゴンをたたき落として欲しかったが、さすがに撃てなかったんだろうなあ。そのためにミニチュア作るには予算がかかりすぎたに違いない。あそこまでリアルなドラゴンを再現するために予算のほとんどは使われているのだろう。 まあ、これはある意味「マッド・マックス」なわけで、世界は核戦争ではなく巨大な火を吐くドラゴンによって廃墟にされている。そして奇妙なコミュニティを作って、ドラゴンの影に怯えながら暮らしている。ここにやってくるのがアメリカ人の軍隊の一団。彼らはまるで「エイリアン2」の宇宙海兵隊のように勇敢で、頼もしい。ハイテクとチームワークで、不死身と思われていたドラゴンを倒してしまうのだ。この場面が実にカッコ良く、血が騒ぐ。 主人公の大人になったクインを演じているのが、「リベリオン」のクリスチャン・ベール。そして、アメリカ人の軍隊のボスを演じているのが、スキンヘッドにすごいぼうぼうのあごひげでまったく別人かと思った二枚目俳優のマシュー・マコノヒー。すごい変わりよう。でもいい役をやっている。クセは強いがホントは良いヤツ。つまり西部劇で言えばブラリとやってくる流れ者だ。そしてみんなで力を合わせてドラゴンを倒そうという。やっぱり西部劇のパターンだ。ドラゴンが町を定期的に襲いに来る悪党たち。町の保安官がクイン。やっぱりこれは西部劇だ。 イタリアのアグスタA119コアラと思われるヘリのパイロットは、「バーティカル・リミット」で気の強い登山家の女を演じていたイザベラ・スコルプコ。ここでも似たようなキャラクターを演じている。よほど「バーティカル……」のインパクトが強かったのだろう。役者としてはイメージが固まってしまうからちょっとかわいそうだが、仕事が来ないよりは良いわけで。とにかく、ちょっとだけだが、このコアラとドラゴンの空中戦はちゃんと見せてくれる。これがなかなかスゴイ。ドラゴンのスピードが速く、結構、神出鬼没なのだ。いきなり、すぐ近くに現れる。これがいい。 公開2日目の初回、ゲテモノ系だからとたかをくくって40分前くらいに着いたら、新宿の劇場には予想どおりまだ4人ほどしかいなかった。デジタル・サウンドの作品なのに、東京の上映館はアナログ系のところが多く、本当にかわいそう。このできなら、デジタルの最新劇場で観賞したい。ドラゴンの鳴き声や飛翔音なんかすごいんだろうなあ。 30分前になって7人ほどに。20代後半2人、老夫婦一組、オヤジ3人というところ。ちょっとして開場し、徐々に人が増えだして最終的には指定席無しの406席の4割ほどが埋まった。 年齢は以外に幅広く、下は20代から上は老人まで、けっこうばらけていた。ただし、女性は少なく若い女の子はとオバサンをあわせても5〜6人。これはさみしい。あのTVコマーシャルがいけなかったんじゃないかなあ。菊川玲が出たヤツなんて意味不明だったもんなあ。そのあともども内容とちぐはぐな感じがしたが……。開演ギリギリに20代が少し増えた。 |