日本語字幕:手書き書体下、伊原奈津子/ビスタ・サイズ(by Panavision)/ドルビー・dts・SDDS
(米PG-13指定)名門ハーバード大学の法科を卒業し、住民活動に積極的に関わっている弁護士のルーシー・ケルソン(サンドラ・ブロック)は、クレーを付けにいった大手不動産会社ウェイド社の若き社長、ジョージ・ウェイド(ヒュー・グラント)にその能力を認められ、取り壊し予定だった公民館を存続させることを条件にウエイド社の主任顧問弁護士として、慈善部門を担当することになる。最初は衝突してばかりの二人だったが、やがて……。 |
定番だらけのゆるゆるストーリーながら、とんでもないどんでん返しがない分、決して観客を裏切ることもない。ヒュー・グラントは得意の、裕福な家庭でおぼっちゃまとして乳母日傘で育てられたプレイボーイ役を、サンドラ・ブロックはこれまた得意の外見もお金も気にしない代わりにガンコで男を黙らせてしまうバリバリのかわいいキャリア・ウーマン役を、それぞれ自然体(?)で演じている。 定番で、ゆるゆるの物語かもしれないが、そういう話をありそうなものとして描き、しかも笑えて感動できる物語に仕上げるのは、簡単にできることではない。なによりサンドラ・ブロックとヒュー・グラントのキャラクターがいい。ピッタリはまっている。なにしろ自然体(?)だから。 そして絶妙な脚本。これは監督自身が書いている。そのマーク・ローレンス監督は、本作が監督デビュー作なんだそうで、とても処女作とは思えない出来。もともとはテレビの脚本家で、マイケル・J・フォックス主演の人気番組「ファミリー・タイズ」を手がけていたらしい。つまりコメディはお手の物なのだ。そして同じマイケル・J・フォックス主演の「ライフwithマイキー(Life with Mikey ・1993・米)」や、サンドラ・ブロックの「恋は嵐のように(Forces of Nature ・1999・米)」や「デンジャラス・ビューティー(Miss Congeniality・2000・米 )」の脚本を手がけている。サンドラ・ブロックの描き方は心得ているということか。 サンドラ・ブロックはプロデューサー業もどんどん手がけていて、いずれもそこそこヒットさせている。自分の出自であるアクションものをバカにすることなく、丁寧に作り続けている姿勢には頭が下がる。今回はアクションなしでいつものコメディエンヌぶりを発揮している。そして、食べ過ぎで下痢になって、好きな男の前でトイレに駆け込むところまで見せてしまうという、やや下ネタもいとわず演じている。偉いなあ。 タイトルではルーシーと、ジョージの幼少時代の写真が使われているが、これがよくできている 。おそらく俳優個人のプライベート写真を取り込んで合成しているのだろう。うまい。てがけたのはビッグ・フィルム・デザインというところ。第2のイマジナリー・フォースになるか。今後に注目しよう。 タイトルの「トゥー・ウィークス・ノーティス」というのは、アメリカのビジネス習慣で、社員を解雇するとき2週間前に知らせることから来ているらしい。 公開2日目の2回目、新宿の劇場には40分前でロビーに12〜13人。6対4で女性が多く、それもほとんど20代の若い女性ばかり。ラブ・コメディで、女性に人気のあるサンドラ・ブロック、二枚目のヒュー・グラントということが決め手か。 入れ替えの10分前に列を作らされ、整列入場。しかしぴあ席2以外に指定席なしの400席に4割程度の入り。あれれ、こんなもの? 女性が増えて男女比は8対2という感じ。オバサン5〜6人、オヤジ以上も5〜6人で、ちょっと小っ恥ずかしかった。 |