2003年6月15日(日)「略奪者」

SWEAT(SUEURS)・2002・仏・1時間43分

日本語字幕:手書き書体下、寺尾次郎/シネスコ・サイズ(マスク)/ドルビーデジタル・dts ES/英語

(仏U指定)

http://kadokawa-daiei.com/ryakudatsu/
(全国劇場案内もあり)
空港で輸送中の砂金を奪ってトレーラーで逃走する4人組。幾多の難関が待ちかまえる砂漠を突っ切り、ボートが待つ海岸を目指すが……。

70点

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 IMDbで4.1などという超低評価。絵作りはうまい。カッコイイと思うが、物語が一本調子で単調すぎ。途中何度か気を失って眠ってしまった。

 一言で言えば、たとえは悪いかもしれないが、まるで末期のできの悪いマカロニ・ウェスタンを見ているような感じ。この古くささは何なんだろう。絵作りは今風で観客を刺激するが(それでも上半分位を暗くするフィルターは嘘っぽくていけない)、物語の作り方とか演技とか流れ方がとても古臭い気がした。

 それに加えてヨーロッパ公開がメインだったためなのか、基本が吹き替え。なぜか公開バージョンが英語の吹き替えで、当然フランス語の口の動きとあっていないので、それが気になって映画にのめり込めなかった。なんでフランス映画を英語吹き替えで公開するのか? タイトルもインターナショナル版の“SWEAT”と出たし、スタッフ・ロールも英語だった……。直接フランスから買ったのじゃないってこと

 さらに悪人ばかりのピカレスクもので、全員が心底セコイ悪党で感情移入ができない。どうでも良いような男たち、むしろこの地球上からいなくなってくれた方が世界のためというような男たちの、自分の欲でのみ行動するというセコイ話は見ていて不快だし、どんなに酷い目にあっても自業自得にしか写らない。彼らがどうなろうと、どうでもいいじゃん、こう思われたらその映画は大失敗だろう。IMDbで4.1の理由はこの辺かもしれない。絵はいいんだけどねえ……。逆に言えば、このいい絵がなければ劇場で見る価値もないのではないだろうか。出演者もなんだかパッとしないし……。

 監督は、公式サイトによれば「ヨーロッパCM界注目の映像派」だそうで、ルイ=パスカル・クーヴレールという人。劇場映画はコレがデビュー作ということになるらしい。車のCMが多かったから、トラックの映画ということになったのだろうか。

 公開2日目の初回、渋谷の劇場は40分前で、オヤジが3人。30分前会場直前にオバサン2人が並ぶ。こういうノンストップ・アクションものは若い人が見るのかと思ったら、最近はとにかく中高年だ。

 15分前に10人くらいになり、最終的には若い人も来て30人くらいに。この内容ではこの程度の入りでもしかたがないだろう。女性は数人。案内はなかったが、9席×2列の指定席はたぶん初回は自由だったのだろう。でも誰も座らなかった。


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