2003年6月22日(日)「ソラリス」

SOLARIS・2002・米・1時間39分

日本語字幕:ゴシック体下、松浦美奈/シネスコ・サイズ(レンズ、in Panavision)/ドルビー・dts・SDDS 8ch/FOTO KEM

(米PG-13指定)

http://www.foxjapan.com/movies/solaris/intro.html
(全国劇場案内もあり)
惑星ソラリスの軌道上の宇宙ステーションから緊急連絡が入った。NASAから宇宙ステーションを買い取ったDBAは特殊部隊を送り込むが、連絡を絶ってしまう。やがて宇宙ステーションのメンバーから、友人の精神科医クリス・ケルヴィン(ジョージ・クルーニー)に来て欲しいというメッセージを受け、DBAは民間人のクリスを派遣するが……。

70点

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 ソ連SF映画「惑星ソラリス(Solaris・1972・ソ)」のリメイク。ボクはテレビでしか見ていないが、ラストに衝撃を受けた覚えがある。翻ってソダーバーグ版はどうか。絵は素晴らしい。いかにも映画らしい絵作りで、ワクワクさせるものがのっけからある。

 セットの色も中間色系モノトーンでリアル。レンズを使った本物のシネスコ・サイズで、計算され尽くした構図がまた絵になっている。

 色の使い方がうまい。地球は変わり映えのしないうんざりするようなありふれた日常の繰り返しをそのまま絵にしたような色。一方、惑星ソラリスはビビッドな色にあふれ、クールで、何かが起きそうな期待にあふれた色。常に厚い虹色の雲に覆われ、亀裂から異様な光を宇宙空間に向けて放出している。何という絵、何という色。これだは大きなスクリーンの劇場で見る価値がある。

 映画は単調で、緊張感が無く、眠気を誘う。途中少し気を失った。この映画を作った狙いは何だったのだろうか、さっぱりわからない。最近あまり寝ていないせいかもしれないが。ストーリーに関しては何も書くことがない。無理に書くと絶対にあら探しになってしまう。あえて一言書けば、ストーリーは大して重要なことではない、そういうことだろう。映像体験なのだと。

 監督と脚本は「セックスと嘘とビデオテープ」のスティーヴン・ソダーバーグ。ボクは「エリン・ブロコビッチ」が好きだが、一般には「トラフィック」とか「オーシャンズ11」の方が有名だろう。主演のジョージ・クルーニーと映画製作会社セクション・エイトを作って「インソムニア」などを作っているらしい。

 死んだ奥さんを演じているのはナターシャ・マケルホーンという人で、「RONIN」で好印象を残している。どうりで、どこかで見たと思った。生き残った男性乗組員を演じていたのは、「プライベート・ライアン」で実戦経験が無く、通訳をやっていたアバム伍長を演じていた人。

 スタッフはと見ると、「アウト・オブ・サイト」とかでもソダバークー監督と仕事をしているいわばソダーバーグ組のことが多い。中でもすごく雰囲気のある宇宙ステーションをデザインした、プロダクション・デザイナーのフィリップ・メッシーナ。バリバリのソダーバーグ組だ。いまヒット中の「8 Mile」も手がけているという。

 公開9日目の最終回。ピッタリに銀座の劇場に着いたら、プレミアム・シートありの612席に50人ほどの入り。老若比はほぼ半々で、男女比は6対4でやや男性の方が多い。かなりガラガラの印象で、プレミアム席は0人。ま、こんなもんでしょう。


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