2003年8月10日(日)「10日間で男を上手にフル方法」

HOW TO LOSE A GUY IN 10 DAYS・2003・米・1時間56分

日本語字幕:手書き書体下、戸田奈津子/ビスタ・サイズ(with Panavision)/ドルビー・dts

(米PG-13指定)

http://www.uipjapan.com/10days/index.htm
(FLASH使いまくりで遅い)
全米No.1女性誌の「コンポージャー」でリポーターを務めるアンディ(ケイト・ハドソン)は、男に振られた女性の体験を基に反面教師として10日間で男を振る方法をリポートすることになる。一方、広告代理店の二枚目ベン(マシュー・マコノヒー)は、新たなクライアントを社内の女性チームに取られそうになり、女性向けの広告を作ることができることを証明するため今ナンパした女性に愛されて10日後のパーティに連れてくることを約束する。そしてお互いが選んでアンディとベンはつきあい始めるが……。

74点

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 よくあるお話。女は家族とか他人のために男を虜にしようとし、男はたいてい仕事とか友人との賭で女を虜にしようとする。でミイラ取りがミイラになって、相手を愛してしまうというパターン。本作は、それをお互いにダブルで仕掛けて、お互いがお互いをダマそうと奮闘するところが違うだけ。原作があるとは思わなかった。

 しかし、面白い。わかりきった話でもちゃんと感動させて、納得のいくエンディングというのはなかなか難しいことだと思う。それを今までの話と同じだという風に感じさせずに、徐々に観客を乗せていって、王道のエンディングへ持ち込むのは監督にそうとう演出力があるということかもしれない。
 その監督を務めたのが、ドナルド・ペトリという人。父が監督、母がプロデューサー、兄弟も映画界という映画一家に生まれ、以前はTVで活躍していた人。ジュリア・ロバーツの「ミスティック・ピザ(Mystic Pizza・1988・米)」でアメリカ映画デビューを飾り、ジャック・レモンとウォルター・マッソーが共演した「ラブリー・オールドメン(Grumpy Old Men・1993・米)」とか、つまらなかったけど「リッチー・リッチ(Richie Rich・1994・米)」、サンドラ・ブロックの「デンジャラス・ビューティ(Miss Congeniality・2000・米)」など、ほとんど軽めのコメディを手がけてきた人。うーん、微妙なところだなあ。

 問題があるとすれば、ケイト・ハドソンが演じる女の子があまり魅力的なキャラクターに見えないこと。彼女自身はキュートなのだが、キャラクターが、まるでベンが感じるように観客も感じて腹を立てるようなわがまま娘にしか写らない。仕事のための演技なのだとわかっても、相手にすまないとか、意にそぐわないことをやっている後ろめたさとかがほとんど感じられないのだ。

 そのケイト・ハドソンはミュージシャンのビル・ハドソンとゴールディー・ホーンの娘なんだとか。どうりでどこかで見たような雰囲気だと思った。美人だし。特に笑顔が良いんだけど、その笑顔はまったく母親のゴールディー・ホーンの笑顔そのまま。親子なんだなあ。でも、ゴールディー・ホーンはカート・ラッセルと再婚したので、5歳の時からずっとカート・ラッセルといっしょなんだとか。だったらなぜラッセルとかホーンって名乗らないのだろう。親の七光りと言われたくなくて、映画界と関係のない名前を名乗ってる、のかな。なにしろデビュー作がインディーズ作品だ。

 「あの頃ペニー・レインと(Almost Famous・2000・米)」で注目されて各賞を受賞。その後「サハラに舞う羽根」に出ているらしいが、日本公開はこれから。なにやら話題作が続々控えているらしい。ただ、胸は思いっきりペチャパイだけど。関係ないか。

 相手役のマシュー・マコノヒーの魅力炸裂。マコノヒーはこのちょっとコミカルな二枚目半がぴったりなのではないだろうか。不真面目じゃないんだけど、決してまじめでもないってのが。たぶん本人は単なる二枚目のイメージが固定してしまうのがいやなのだろう。1つ前の作品「サラマンダー(Reign・2002・米)」ではスキン・ヘッドに髭ぼうぼうで、思いっきりワイルドな男を演じていた。これがまたうまくて、さすが役者って感じで。しかもいいところをすべてかっさらっていくなんざあ、役者よのう。

 ちょっと気になったのは、ケイト・ハドソンの同僚で、ブルーネットのちょっとエスニックな雰囲気のアニー・パリッセという女優さん。いままではTVに出ていた人で映画は本作がデビュー。アラスカ出身。次作ではどうなっているか、楽しみだ。

 公開2日目の初回、銀座の劇場は35分前に着いたらすでに開場済み。猛暑なので早く開けてくれたらしい。中には若い男性1人、オヤジ2人、30代くらいの女性1人、オバサン4人。

 612席の内、中央の6席×4列は特別シートのプレミアム席で、料金2,500円。ドリンクも運んでくれるし、カップ・ホルダーも付いているし、前後左右も広いという特別席。いいけど2,500円は高いなあ。東映の劇場のイスと同じだし。

 20分前で20代の各客は男性が2人くらいいただけで、ほとんどは30代以上。それもカップルが多い。15分前くらいから若い女の子が増えだして、最終的には4対6で女性の方が多くなった。でも中心はやっぱり中高年。こういう話も若い子はあんまり見ないのか。うーん。5割の入りはまあまあか。


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