日本語字幕:丸ゴシック体下、菊地浩司/シネスコ・サイズ(マスク)/ドルビーデジタル・dts・SDDS
(米PG-13指定)前作で犯人に車を与えて逃がした責任を取りブライアン・オコナー(ポール・ウォーカー)は、自慢のドライビング・テクニックを生かして、マイアミでストリート・レースで荒稼ぎをしていた。そんなある日、警察が現れ麻薬捜査に手伝いをすれば過去の記録を消し自由の身にしてやると言う。ブライアンは一つの条件として、相棒に幼なじみのローマン・ピアース(タイリース)を指名する。 |
やっぱり“2”は“2”ということか。面白くないわけではないが、いまひとつのれなかった。なんなんだろう。CGも使っているが、監督がロブ・コーエンからバトン・タッチしたジョン・シングルトン(「ボーイズ’ン・ザ・フッド(Boy'n the Hood・1991・米)」「シャフト(Shaft・2000・米)」)で、彼の意向により運転している役者をもっと見せたいとかあって実際に走っているのが多いらしい。そのせいなのか、前作よりスピード感が落ちてしまった気がする。 特に俳優のアップになるとバックで流れている風景の速度がグッと落ちる。撮り方や編集よって変わってくるのだろうが、走りの迫力はバーチャルな町地の中を走らせていたという前作の方があったと思う。 さて、それでは今度の見所はどこかということになると、やはりレース・シーンであって、麻薬王を逮捕するという話はやや見劣りする。なかなかボスが怖くて良いのだが、やはりもっとドンパチとかないと地味すぎてリース・シーンにはかなわない。しかも2番目にいいシーンが繰り返しTVのCMで流されているものだから、そのシーンはガッカリ。まったく興ざめ。仕掛けをしている時点であ、これCMに出ていたとこだとバレてしまう。 ただ、繰り返しCMで見てはいても、やはり1台の車が大型トレーラーに轢かれるシーンは劇場の大スクリーンだと迫力がある。ドライバーが乗っているように見えるから、思わずゾっとしてしまうところ。最後のクレジットを見るとリモート・カーという項目があったから、人形などを載せてリモコン操縦しているのだろう。素晴らしいシーンに仕上がっていると思う。 主役は前作から引き続きポール・ウォーカーが担当。名作「激突!(Duel・1972・米)」風味のアクションもの「ロードキラー(Joy Ride・2001・米)」やロブ・コーエン監督の学園スリラー「ザ・スカルズ(The Skulls・2000・米)」で、いつもがんばっている印象のある人。本作でもなかなかがんばっている。相手役はモデル出身で、スクリーンでもナイス・バディを披露しているタイリース。なかなかやんちゃな感じが良く出ていると思うが、怒ったりする演技は誰でもできるので、なんともいえないが。 敵のボスをいやらしく好演しているのは、ベトナム戦争当時の兵士の訓練を描いた「タイガーランド」や第二次世界大戦時の捕虜収容所内殺人事件を描いた「ジャスティス」に出ていたコール・ハウザーという人。なかなか存在感があって良いです。 ただ女優陣がいずれも好みではなかった。これで印象がイマイチなのかも。女性潜入捜査官モニカを演じたヒスパニック系の女優さんはエヴァ・メンデスといって、大きな作品ではデンゼル・ワシントンの「トレーニング・デイ」に出ているくらい。一方過激な女性ドライバー、スーキー(スズキ?)を演じたデヴォン青木はモデル出身で、ベニハナのロッキー青木社長の娘さんなのだとか。以前、日本のTVCM「桃の天然水」にもでていたが、どうもボクには……。本当にこのキャスティングで良かったの? 最近の女優さんは、日米を問わずどうもモデル出身というのがひとつのキー・ワードになっているようだ。多少の演技力のなさは演出と編集でどうとでもなるということか。演技も経験を積めばうまくなっていくのだろうし、まずは華と存在感が有ればいいということなのかもしれない。 公開3日目の平日の初回、上映開始と同時くらいに新宿の劇場に入ったら350席に30人くらいの入り。夏休みの大学生らしい若い人が10人くらいの、ネクタイではないオヤジが15〜16人ほど。女性はオバサンで2〜3人というところ。意外に時間つぶしのサラリーマンはいないようだ。まっ、この不景気、そんなことをやっていたら首になるかもしれないけど。 クルマに関しては、ホンダのNSXとかいろいろ出ているものの、三菱アメリカが全面協力しているらしい。三菱オンパレードといった感じ。三菱はジャッキー・チェン映画には必ず協力していて、かなり映画通というか映画好きらしい。日本映画にも協力してくれると良いなあと。 |