日本語字幕:手書き書体下、菊地浩司/シネスコ・サイズ(マスク)/ドルビー・dts・SDDS
(米PG-13指定)ロサンゼルス市警(LAPD)の特殊部隊SWAT部隊隊員のジム・ストリート(コリン・ファレル)は、武装銀行強盗の事件で、同僚のブライアン・ギャンブル(ジェレミー・レナー)と共に突入し、待機の命令があったにもかかわらず、人質の命が危なかったため命令を無視して突入を開始してしまった。結果、人質は助かったが負傷してしまったことから、2人は責任を問われて武器庫係を命じられる。ギャンブルはそれを不服として警官をやめてしまうが、ストリートは残る決心をする。半年後、LAPDで新しいSWATチームを作ることになり、新しいリーダーとしてホンドー(サミュエル・L・ジャクソン)かが赴任、ストリートを指名する。 |
なかなか面白い。1975年から1976年にかけて放送されたあの懐かしのTV版「特別狙撃隊SWAT」のテーマ、「反逆のテーマ」(だったかな?)もそのままに、現代風になったSWATの活躍がスリリングだし、カッコいい。ただし、この映画の重要なポイントである、「犯人の護送」の職務をわざわざSWATが担当するかという問題はある。SWATは武装犯への対処や立てこもり事件などに出動はするが、護送はやらない。とするとこの映画が存在しないことになってしまう。好意的に解釈すれば、国際指名手配の犯罪者だったために全署を上げて何班かに分かれて計画を実行することになり、SWATまで駆り出されたと。ボクはそう納得することができたが……。 ニュー・リーダーが来て、彼が自由にSWAT隊員を集めて来るというのも、設定としてどうなんだろう。通常は突入チーム、狙撃チーム、交渉人で構成されているはずで、それぞれスペシャリストだから訓練内容も違うはずだし……。 まあ、いずれにしても映画だと。装備を正確に描いただけでもよしとしなければ、なんてボクは思ったので許せたのだが。 本作の5人はあえて言えば突入チームだろう。装備は3人がM4/M4A1カービン、紅一点のミッシェル・ロドリゲスがMP5A4(隊長のサミュエル・L・ジャクソンも)、LL・クール・JがベネリM1ショットガンという構成。ハンドガンはキンバーだというのだから凝っている。 射撃練習の風景なんかは、ちょっと競技風になっていて、「ダーティハリー2」とかフランス映画の「真夜中の刑事」なんかを思い出させる。なかなかよくできている。全員シューティング・グラスをしているし、耳栓もしている。今日のアメリカの射撃場ではこの2つは欠かせないアイテムなのだ。持っていなければレンジ内に入れてももらえない。 監督はクラーク・ジョンソンと言って、いままでTV畑で活躍してきた人。役者としても結構たくさんの映画に出ている。本作にもLLクールJのパートナー役で登場しているらしい。本作はほとんど劇場デビュー作に等しいのではないだろうか。それで、あれだけの有名俳優をさばいて見せたのだから腕は確かなのだと思う。とすれば、脚本に問題ありか。 IMDbによればストーリーを考えたのはロン・ミタとジム・マクレインとなっていて、2人とも本作の前にVシネ(撮影は35mmフィルムで、日本では劇場公開)の「山猫は眠らない2(Sniper 2・2002・米)」の脚本を書いていた。ボクはアメリカ版のDVDで先に見ていたが、あまりスナイパーとは関係のない作品だった。今回もSWATらしくないとすれば、責められるべきはこの2人か。 曲はいい。今風にアレンジされた「SWATのテーマ(反逆のテーマ)」もいいし、特にチームのメンバー全員でその曲を口ずさむところがいい。ここと、M4をぶっ放しているところが一番良いのかも。 公開2日目の初回、寝坊して新宿の劇場に20分前に着いたら、当然もう開場していて、初回から指定席2席(ぴあ席?)ありの400席に3.5〜4割の入り。あらら、結構人気ありのよう。テロの多い昨今、特殊部隊は注目されているのかも。 ほとんどは例によってオヤジ世代で、20代の若者は1〜2割程度。男女比に至っては8.5対1.5くらいで圧倒的に男性が多い。まあ当然か。TV版をよく見ていたという人たちはたぶん30〜40代以上だろう。ただし、下は小学生からいた。血は出るが飛び散ったりせず、アクション映画にしてはアメリカでもゆるいPG-13(13歳以下には不適当)で、R指定(17歳以下は成人の同伴が必要)にはなっていない。 最終的には8割ほどの入り。これはリッパ。なかなかいいんではないでしょうか。 予告に、ついに「ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還」、「キルビル」、「マトリックス3」の新しい映像の入ったバージョンが登場。なんだか得した気分。 |