2003年10月11日(土)「リーグ・オブ・レジェンド 時空を超えた戦い」

THE LEAGUE OF EXTRAORDINARY GENTLEMEN ・2003・米/独/チェコ/英・1時間50分

日本語字幕:手書き書体下、林 完治/シネスコ・サイズ(レンズ、in Panavision)/ドルビー・dts

(米PG-13指定、英12A指定)

http://www.foxjapan.com
(全国上映劇場リストもあり)

1899年ロンドン、イングランド銀行がドイツ軍に襲われた。その直後、ベルリンでイギリス兵が飛行船工場を襲撃した。しかし、どちらも率いていたのはドクロのステッキを持つ仮面の男だった。英国政府は戦争の危機を避けるため、アフリカにいる冒険家のアラン・クォーターメイン(ショーン・コネリー)を呼び戻し、事件の解決を依頼する。ロンドンで彼を待っていた司令官はMと名乗る男で、事件解決のため、ほかに透明人間のスキナー(トニー・カラン)、潜水艦ノーチラス号のネモ艦長(ナサーラディン・シャー)、吸血鬼のミナ(ベータ・ウィルソン)らと超人紳士同盟を結成し、協力してイタリアのベニスへ向かい敵の野望をくじけという。

70点

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 リチャード・チェンバレン主演、J・リー・トンプソン監督でリメイクされた痛快冒険映画「キング・ソロモンの秘宝」(1985)でも知られるH・ライダー・ハガードの小説の主人公の冒険家アラン・クォーターメイン。

 カーク・ダグラス主演、リチャード・フライシャー監督の「海底二万哩」(1954)でも知られるジュール・ヴェルヌの小説の潜水艦艦長ネモ。

 ゲイリー・オールドマン主演、フランシス・フォード・コッポラ監督の「ドラキュラ」(1992)でウィノナ・ライダーが演じたブラム・ストーカーの小説のヒロイン、ミナ・ハーカー。

 そしてジェームズ・ホエール監督の「透明人間」(1933)でも知られるH・G・ウェルズの小説の主人公ジャック・グリフィン(コミックスではホーリー・グリフィンになっているが、映画ではなぜかロドニー・スキナーという名に)。

 さらには名優スペンサー・トレーシーが演じた、ヴィクター・フレミング監督の「ジキル博士とハイド氏」(1941)であまりにも有名なロバート・ルイス・スティーヴンソンの小説のジキル博士とハイド氏。

 原作のDCコミックス(いかにもアメコミらしい奇想天外な設定!!)では5人+1が活躍するお話らしい。興味がある人はDCコミックスの公式サイトhttp://www.wildstorm.com/minisites/loeg/loeg.htmlをご覧いただきたい。

 映画では、それになぜかオスカー・ワイルド原作の「ドリアン・グレイの肖像」のドリアン・グレイ(映画はアルバート・ルーウィン監督の「ドリアン・グレイの肖像」(1945)が有名)が不死という設定で加わる。

 さらにはCIAだと名乗る、マーク・トゥエイン原作の「トム・ソーヤーの冒険」のトム・ソーヤーまでがアメリカから加わる。小説の発表が1876年だから、20年もたてばトム・ソーヤーだって30歳くらいになっているわけで、計算は合う。

 合計7人+1。つまり「七人の侍」とか「荒野の七人」のように、7人にしたかったということか。

 監督は「ブレイド」のスティーブ・ノリントンで、アクション・シーンはいい。ただコミック・テイストを生かしすぎたのか、リアルさに欠け、いまひとつピンと来ない。こういう話こそリアルさを大事にしないと成り立たないと思うのだけれど。

 それにしても、どうなんだろう。これだけわくわくするような設定で、このでき。アクション・シーンなどはとてもいいのだけれど、この空虚さはなんなんだろう。かなり脚本に問題があるのではないだろうか。世界中を股にかけ、超人たちが大活躍。血湧き肉躍るはずが……。

 SFXもすごい。すごいがあまりに突き抜けて、漫画のようになってしまっている。アニメは実写に近づき、実写の映画はアニメに近づいてゆく。

 1899年と言えばようやくオートマチック・ピストルが出始めた時代。そこに謎の一弾がオートマチック・ウェポンを持って現れるだけで無理があるわけだが、AK47あたりに鋲を打ったお弁当箱のような箱をかぶせても、謎の銃には見えないわな。ショーン・コネリーがウェブリー・リボルバー(たぶんウェブリーMk IVの.455口径だろう)を使うのは大変よろしいのだが。

 トム・ソーヤーが彫刻入りウィンチェスター・ライフルのシルバー・モデルを持っていても不思議ではない。画面からは西部劇でおなじみのM73だったような印象がある。しかし、ピストル・カートリッジを使う非力なライフルであり、これでショーン・コネリーの水平二連ハンマー外装式高級ハンティング・ライフルと張り合うのは無理だろう。

 公開初日の初回、40分前に着いたら銀座の劇場はすでに開場ずみ。いつもここは早く開場してくれるので、暑い時でも寒い時でも、悪天候の時など特に助かる。

 17席×2列の指定席もすべて初回は自由で(2回目以降は、指定席も含め全席指定)、50人くらいの入り。男女比はやや男性が多い感じで、5.5対4.5というところか。3/4は中高年で、1/4が20代くらい。下は中学生くらいからいたが、やはり映画を見るのは中高年のようだ。

 30分くらい前から増えだして、最終的には654席の7割から7.5割ほどが埋まった。

 それにしても、またもや大量の「関係者の一団」が。どうも監視されているようでリラックスできない。あんなに大人数が必要なんだろうか。たとえ初日プレゼントの絵はがきを配るのに必要だとしても、2〜3人で充分なはず。威圧感があるのでぜひとも大人数は止めて欲しい。


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