2003年10月13日(月)「スパイキッズ3-D:ゲームオーバー」

SPY KIDS 3-D: GAME OVER ・2003・米・1時間24分

日本語字幕:手書き書体下、石田泰子/ビスタ・サイズ/ドルビーデジタル・dts・SDDS

(米PG指定)

http://www.asmik-ace.co.jp
(全国上映劇場リストもあり。ただしグラフィック多用で遅く、作品情報ほとんどなし)
スパイキッズの姉、カルメン・コルテス(アレクサ・ヴェガ)が行方不明になった。秘密情報機関OSSは彼女が、3Dゲーム「ゲーム・オーバー」で世界征服をたくらむトイ・メーカーの調査のためゲームの中に入り込み、とらわれの身となったのだと弟のジュニ・コルテス(ダリル・サバラ)に告げ、救出を依頼する。はたしてジュニは姉を救出し、隠されたレベル5まで到達してトイ・メーカーを倒せるか。

70点

1つ前へ一覧へ次へ
 「1」で懲りたはずだったのに、「2」がちょっと評判良かったらしいので、3Dということもあって「3」を見てしまった。……で、やっぱり見なくても良かったかも。微妙。

 内容的には架空だがゲームを映画にしたお話しで、ストーリーもへったくれもない。単にレベル5までいって、最後のボス・キャラ、シルベスタ・スタローンを倒すだけ。もちろん感動もへったくれもない。

 では何が見所かというと、3D、立体映像、これしかない。ただ、これがまた問題なのだ。いまどき青赤メガネの立体? 公式サイトなどでは最新の立体技術などとあったが、見た印象は昔のものとなんらかわらなかった。なぜ、カラーで飛び出す偏光グラス方式ではなく、古い青赤なのか。

 エンディング・クレジットを見ていたら最後にDLPと出た。つまり、どうやら、本来はデジタル上映する方式だったらしい。しかし、見たところ通常のフィルム上映だった。つまり画面の明るさや、色の再現幅がフィルムでは限界があるのだ。ゲームの世界が舞台であるだけに、モニターでしか再現できない色もあるはずで、それはまさにDLPがぴったり。DLPだからこそ青赤でも最新技術になるはずだったのではないだろうか。

 ところが2日目に行ったらすでに劇場が変更になっていた。これでDLPではなくなったのか。しかもいけないことに、最近よくあることだが上映時のピントが甘いため、青赤がメガネを掛けてもちゃんと合わない。当然、立体感も薄れつねにピンぼけのように見えていた。こんなことでいいのだろうか。人の目の間隔はそれぞれ微妙に違うので、たまたまボクだけということだったのかもしれないが、とにかく立体感が薄く、色ズレにしか見えなかった。むしろ3Dメガネを上げて見た方がピントが合って見えていた印象がある。

 青赤だから、色もよくわからない。メガネを外してみるとジュニのボディ・スーツは黄色なのだが、メガネを通してみると黄色のような白のような判然としない状態。しかもメガネを掛けるとスクリーンの明るさが半減するから暗くてしようがない。これは偏光グラス方式や液晶シャッター方式でも同様だが。

 偏光グラス方式(最近では「ジェームズ・キャメロンのタイタニックの謎」)だと、狙った絵の立体感は素晴らしく、ほとんどの観客があまりにリアルに飛び出るので、空中に手を伸ばしてつかもうとしてしまう。ところが本作の立体は、飛び出るというより奥行きが出るというもので、注意して反応を見ていたのだが誰も手を伸ばさなかった。

 クレジットには3D技術協力ジェームズ・キャメロンとあったが、うーん、どうなんだろう。DLP上映で、ちゃんとピントがあった絵を見てみないと何とも言えない。ただ。途中ちょっと気を失っていたことは事実。

 見所は、とりあえず3Dと、ラストのNG集。本編が終わったからといって、すぐに席を立たないように。俳優生命の終わりだといって泣く、スタローンの真似をしたジョージ・クルーニーがおかしいし、「スパイキッズ」(1)のときのアレクサ・ヴェガとダリル・サバラとの比較にびっくり。2人とも成長したんだなあと。こりゃ、(3)で終わりだろう。もう大人っぽくて、こういう映画は無理だろうから。

 公開3日目の4回目、字幕版最初の回、30分前に着いたら劇場が大きいところに変更になっていた。廊下の両側で人が待っていて、合計50人くらいはいただろうか。下は小学生くらいから、上はオヤジまでいたが、中心は20代の若い人たち。デートが多いようで、ほとんどはカップル。男女比はだからほぼ半々。

 場内に入ったら、珍しく指定席なしになっていて驚いたが、子供の多い回のあとは場内がとてもきたない。座高を高くするための補助シートや、お菓子・飲み物の残り、袋などがいたるところに置いたままで、またこぼれている。人手が足りないらしく、15〜20分の清掃ではほとんどキレイにできなかった。うーん、ちょっとなあ。


1つ前へ一覧へ次へ