日本語字幕:手書き書体下、石田泰子/ビスタ・サイズ/ドルビーデジタル・dts・SDDS
(米PG-13指定)1962年、ニューヨーク。メイン州から来た新人作家のバーバラ・ノヴァック(レニー・ゼルウィガー)は編集者のヴィッキー・ヒラー(サラ・ポールソン)と一緒に、「恋は邪魔者」の本を売るため男性誌の超人気スター・ライター、キャッチャー・ブロック(ユアン・マクレガー)に取材願いを出したが、毎回デートのために予約をキャンセルされていた。そこで彼女たちはエド・サリバンショーで紹介してもらうよう活動を開始。たまたまジュディー・ガーランドが同じタイトルの歌をテド・サリバン・ショーで歌ったため、注目を浴びることになり、ついにはベスト・セラーになるが。 |
コテコテの60年代ムービー。しかもまだ夢のあった前半の60年代。後半になるとベトナム戦争が泥沼化し、映画もニュー・ウェーブ(フランスではヌーベル・ヴァーグ)が台頭し、リアル志向に変わり、ハッピー・エンドが消え、TVに勝てず衰退していく。 つまり、60年代前半は、映画はまさにファンタジーで、映画の多くは映画のための映画だった。これは「カラー・オブ・ハート」(Pleasantville・1998・米)を見るとよくわかる。身近な話題でさえも作り物の世界で展開し、観客は映画を見ている間、まったく別世界に浸ることになる。辛い話も、お隣で起こっているのではなく、どこか遠い国のお話ということだ。 もちろん、すべてがすべてではないが、物語を純粋に語るのにこれほど素晴らしい手法はない。「昔々、あるところに……」といったらそこは別世界、おとぎ話が始まるのと一緒。だから。独特の雰囲気と面白さを60年代前半の映画は持っていたわけで、それはそれでリアルさはなくても面白い。エンターテインメントとしては一級品が多かったのも事実。 そこで、本作はすべてを1962年のスタイルで貫き通して作った変わり種。ほとんど歌はないが、感覚的にはかなりミュージカルの要素を含んでいる。また黄金期のオードリー・ヘップバーン作品のように、素晴らしいファションの数々。たぶんレニー・ゼルウィガーは登場するたびに違うドレスで現れる。そしてそれらが独特のデザインでなかなか良い。 映画の前半、展開はまったくプレイボーイのキャッチャー・ブロックのペースで進行する。60年代の設定だから当然、男尊女卑的であるわけで、むしろ女性蔑視的でさえある。それは観客の時間である西暦2003年に全くそぐわない感じ。男のボクでさえいかがなものかと、少し不快に思うほど。 とところが、その辺はちゃんと考えられており、後半は意外な展開を見せる。形勢逆転し、キャッチャー・ブロックは右往左往することになる。ここがミソ。 公開初日の2回目、銀座の劇場は20分前に付いたらちょうど前回が終わったところ。それでも初日プレゼントの引換券がもらえて中へ。15分前に入場となるまでロビーの列に並んだ。30人ほどの行列は80%が20代くらいの女性で、一緒に並ぶのはちょっと恥ずかしかった。 初日プレゼントを渡すためか、例によって関係者が。廊下にいるだけなら良いが、場内に入ってきて脚の値踏みをするように場内を睥睨するというのは、気分のいいものではない。1人とかで、もっと控えめに目立たないようにできないものだろうか。こちらはお金を払って見に来ているのだから。 最終的にプレミアムシートありの710席に2割程度の入り。やっぱりアクションとかSFとか、もちろんアニメの方が人が入るような気が……。悪くない作品なんだけどなあ。何とプレミアム・シートに1人座っていた。お金持ち〜、うらやましい。でも、ちょっと恥ずかしいかも。 初日プレゼントは、高級チョコの詰め合わせ。4コくらい入っていたが、買えばかなりの値段がするはず。ラッキー。これは劇内で、バーバラ・ノヴァックが「女はチョコレートを食べるだけでセックスのような快感が得られるの」というようなことを言っていたからだと思う。男のボクは、うまいと思うけど、苦めのコーヒーとかで流し込まないと、1コも満足に食べきれない、という感じだった。 |