日本語字幕:手書き書体下、林 完治/シネスコ・サイズ(マスク、super 35)/ドルビーデジタル・dts・SDDS
(米R指定)子供をさらって惨殺していたフレディは、団結して立ち上がった住民によって焼き殺され、夢の中に現れる怪人として蘇った。しかし最近、事件のあったエルム街でさえフレディの存在は忘れ去られ、誰もフレディを知らない状態だった。人々の恐怖のエネルギーによってパワーを保ってきたフレディは、いまでは力もほとんど劣り、何もできない状況だった。そこでフレディはまず現実世界の恐怖心を増し、自分の力を強めるためにジェイソンを復活させる。 |
よくも夢の世界のモンスター「フレディ」と現実世界のモンスター「ジェイソン」を対決させられたものだと、まず感心する。いろいろと工夫を凝らして、観客が望む夢の対決を実現した。 なんでも「エルム街」のフレディの権利を持つニュー・ライン・シネマが「13金」の権利を(パラマウントから?)手に入れ製作に入ったらしい。ところが何人もの脚本家が脚本を書いたにもかかわらず、製作サイドの満足のいく脚本が上がらずにずっと棚上げになっていたらしい。それが、新人のダミアン・シャノンとマーク・スウィフトが書いたものが採用されるに及んで、ついに企画は動きだしダミアン・シャノンのすすめで香港出身の監督ロニー・ユーに監督の話が行ったと。 ロニー・ユーは、傑作「白髪魔女伝」(1993・香)で注目され、ハリウッドに移ってからは「チャイルド・プレイ チャッキーの花嫁」(1998・米)や「ケミカル51」(2002・米)などを撮っている人。アクションといい、ホラーといい、まさにボク好みの作品を作ってくれる人。低予算でも工夫して観客を楽しませようという姿勢が素晴らしい。 そんなわけで、本作もなかなかむおもしろい作品に仕上がっている。映画史に残るようなホラー・ムービーではないが、お金を払った分はきっちり楽しませてくれる作品だ。一体、夢にしか現れないフレディと、現実に現れるジェイソンをどうやって対決させるのか。シリーズ第1作のウェス・クレイヴン監督「エルム街の悪夢」(1984・米)を思い出せば、フレディが実体化するという部分があったことに思い至る。 どちらの作品のファンをもガッカリさせずに、いかに面白い映画を作り上げるか。監督にも大きなプレッシャーがあったはずだ。はたしてどっちが強いのか。まるでK-1かプライドの試合を見ているようでもある。 お約束の若い女の子の全裸水泳やシャワーやHシーンも入れながら(しかもほとんどが、吹き替えがあるかもしれないけど、巨乳)、基本的にはバカ男とバカ女が惨殺され、ナイス・ガイがやられるのは、敵との戦いにおいてのみというパターン。よくぞ守ってくれました。 なかなかカッコ良いタイトルとキャストやスタッフのクレジット文字のデザインは「カレイドスコープ・フィルム」というところ。覚えておいた方がいいかもしれない。 公開2日目の初回、40分前に銀座の劇場に着いたら、なんと50人くらいの人の列。おっ、上映館が少ないせいなのか人が多い。ここ以外は小さな劇場になるし……。 で、並んでいたのはほとんどが20〜30代の男性。狭い階段室に並んでいるので、汗くさくてかなわない。30分前になって70人ほどになっても、女性は4人しかいなかった。しかも父と娘とか2人連れとか、母と娘というパターン。意外にカップルは少ない。デート組は午後からということか。キャーとかって接近するにはホラー映画が最適なのだから。 30分前に開場し、初回のみ2回にある指定席もすべて自由。入場口のところで何かチェックしているので、入場が大渋滞。早く入りたい人と、そのチェックで先に進めない人でごった返した。手際が悪いというより、そもそもこの受付を入口におくことが間違っている。もっと横に移せばいいのに。 このチェックというのは、前売りを買ったボク自身全く知らなかったのだが、前売り券がフレディとジェイソンと2種類あり、当日どっちが勝ったか(何に? 映画の中で? それとも映画に関係なく抽選で?)を発表して、勝った人にフィギュアをプレゼントしていたのだ。ボクが持っていた前売り券はフレディのバージョンで、よくわからないがどうやら勝ったのはジェイソンだったらしい。知らなかったボクまでそのカウンターに並んで、前売り券を見せたら違うといわれた。うわ、気分悪っ!! 一体の何の勝負だったんだ。このおかげで、入場大渋滞だぞ。入口に紙でも貼って、勝った人はカウンターに前売り券を出してくださいにしておくだけで、この混乱は避けられたのに。 最終的に下は中学生から(えっ、こんなにスプラッター、見てもいいの?)、上は中高年まで、20〜30代を中心に、2階席は8割ほどの入り。なかなか優秀ではないだろうか。ただしスクリーン中央がピン甘。ここに限らず最近多い。どうなっているの? |