日本語字幕:丸ゴシック体下、戸田奈津子/ビスタ・サイズ(with Panavision)/ドルビーデジタル・dts
(米PG-13指定)
大手弁護士事務所に就職したエル・ウッズ(リーズ・ウィザースプーン)は、愛犬ブルーザーの母犬が化粧品の動物実験に使われていることを知り、動物保護をクライアントに訴えようと主張して首になる。しかしめげない彼女は、今度は議員に訴えてヴィクトリア・ラッド下院議員(サリー・フィールド)のスタッフとして国会入りすることに。 |
IMDbで3,000人近くが投票してたったの4.4点はかなり悪い評価。しかし、ボクはおもしろかったし(笑えた)、アメリカらしい理想に燃える若者の話ながら、ちゃんと感動させるところに感心した。ちょっと涙が……。 予告編を見たときから、これはジェームズ・スチュアート主演、フランク・キャプラ監督の「スミス都へ行く」(Mr. Smith goes to Washington・1939)そっくりじゃないかと思っていたら、なんと劇中のテレビの深夜番組で「スミス都へ行く」を放送しているところがちゃんと出る。そうか、確信犯か。 ボクは「スミス都へ行く」が大好きなので、それと同じ構成の本作がおもしろかったのかもしれない。アメリカで受けなかったのは、それこそ題材の一つになっている動物実験の問題があるかもしれない。実際に一般人の知らないところで動物実験はたくさん行われているのかも。 もちろん、わずか1時間半ほどで描かれるファンタジーなので、かなり無理をしている部分はある。こんなに都合良くそこら中に先輩や後輩がいて、こんなにも簡単に協力してもらえるはずがないとか、たとえ1つでも法案を通過させるのはこんなにも簡単じゃないとか、この程度の苦労や障害はお金持ちのお嬢様にはそうでも、一般的にはちっとも苦労でも障害でもない……etc、etc あるだろう。 それでも、エル・ウッズの前向きな姿勢や明るさは、映画の中のように観客までも明るくし、前向きにさせてしまう。どこからくるのかはわからないが、その自信や諦めない(めげない)強さが、彼女を憎めないキャラクターにしているのではないだろうか。 当然、お約束のように、しょげて、自信をなくし、「スミス都へ行く」のようにリンカーン像の前に行く。わかりきった定番シーンだが、思わず応援したくなる、それが巧いと思う。つまりノセ上手。たぶんアメリカ人の多くはノセられなかったということではないだろうか。 ちなみに、本作の製作総指揮(エグゼクティブ・プロデューサー)をリーズ・ウィザースプーン自信がやっている。彼女の要請だったのか、憎まれ役の下院議員には、おなつかしやベテランのサリー・フィールド。アカデミー主演女優賞を2度も受賞した大女優だ。 公開2日目の初回、35分前に着いたら10人ほどの行列。6人が女性で、20〜30代。30分前に開場になって入った時点では17〜18人。7割が女性で、オヤジは3人といったところ。女性は若くても老けていても、母娘でも、2人連れというパターンが多かった。 ここもちょっと古い劇場なので、足下の誘導ランプが消えない。スタジアム形式の客席なので後ろの座席が頭近くにあり、結構じゃま。上映中は消してほしい。 最終的に、6席×4列の常設プレミアム・シートに2人が座ったけれど(!)、710席の3.5割ほどしか埋まらなかった。うーむ、落ち込みがちなとき、何かに迷っている時、この映画を見ると(根拠ははっきりしないが)勇気づけられると思う。よし、もう一度やってみようという気にさせられる。 でも、見るなら気負わず、お気楽に、どうぞ。 |